第32話

~31~
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2020/09/21 00:57
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
季節の変わり目…かな…。
国見 英
すみません…
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
うぅん!体調管理はバッチリだったと思うし、国見くんのせいじゃないよ。
国見 英
っす…
研磨くんの誕生日の少し前、


季節の変わり目で、気温の変化が激しい頃。


国見くんが、バレーの練習中に、倒れたらしい。


幸いすぐ隣に金田一くんが居て、


色々と助けてもらったらしい。


病院に行き、風邪だと分かった。


今は私が看病している。
『ピピピピッ』


静かな部屋に、体温計の音が響いた。
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
はい、貸して。
『38度6分』
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
あちゃー…結構まだ熱あるね。
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
お昼食べてないよね?
国見 英
(頷く)
返事をするのも辛いのか、頷く国見くん。


いや待ってね、凄い可愛いんだ。


失礼だけど、失礼なんだけどね…!?
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
お粥…がいいかな、喉も少し腫れてるって言ってたって聞いたし…
国見 英
すみません…お願いします…
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
大丈夫だよ、早く治ると良いね!
冷えピタを張った後、部屋を出て、


まぁ真っ先にキッチンへ。
白布 賢二郎
んで?国見は?
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
おぁっ、白布くん!?
白布 賢二郎
ただいま、国見倒れたって聞いて帰ってきた。サボりじゃない。
そこには、ソファーに寝転びながら、


スマホを見る白布くんが居た。


バレーの練習や、バイトが無かったりすると、


こんな感じに早く帰ってこれる。


今回は国見くんのことを案じて休み、


帰ってきてくれたのだろう。
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
いや、疑ってない疑ってない。
白布 賢二郎
で、病状は?熱?喉?咳?
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
喉…と、高めの熱…だね。
白布 賢二郎
うわキツそ。薬は?
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
病院で貰ったよ!
白布 賢二郎
分かった、まぁ死ぬほどじゃないのな。月島辺りには連絡しとくよ。
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
ありがとう~!!
白布 賢二郎
あなた…は、良いからメシ作ってやれ。何よりの薬だろ。
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
!…嬉しいなぁ~
…よっし、頑張ります。
白布くんの言葉を喜びつつ、


腕捲りをして、エプロンを付ける。


レシピは浮かんでいるから、


野菜室や冷蔵庫を空けながら、


何を入れるか決めていく。
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
…うん、よし。
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
あっ、白布くん!
白布 賢二郎
なぁに~。
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
ご飯食べた?作ろうか?
白布 賢二郎
それこっちの台詞ね?あなたは俺より早く帰ってきてるってどゆこと??
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
あっ、それはね…まぁ…皆が帰って看病してやれと…押されて…
白布 賢二郎
ほんっっっと、あなたの人脈って恐ろしいよ。優しすぎ。
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
す、すいません?
白布 賢二郎
謝らなくて良い、長所でしょ。
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
…ありがとう??
白布 賢二郎
はい正解。
白布 賢二郎
俺はご飯適当に買って食べるし、どうせならあなたのも買ってこよっか?
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
うーん…うーむ………
作ってあげたいけど、


きっと国見くんのを作り終わったら時間が無くなってしまうという気持ちと、


料理係としてのプライドが戦った結果…
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
じゃあ…ごめん、お願いします。
白布 賢二郎
素直でよろしい、任せろ。
どうしても、


誰かを待たせるということは出来なかった。
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
何でも大丈夫なので!
白布 賢二郎
はいはい。
と、白布くんが家を出た所で、


いよいよ作り始めよう。


煮込みは時間が大切。


少しでも喉が通るように…


スープと、お粥と…




ふと、国見くんの喜ぶ顔が浮かぶ。


いつも私の作るお菓子やご飯を食べて、


美味しいと、笑顔になる顔が。




私は、お粥とスープを送ったら、


もう一品作ろうと、決意した。

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