第36話

~35~
2,084
2021/03/03 23:00
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
はいっ!もしもしっ。
『♪~♪~』


テレビを見ていたら、


突如耳を突くように電話の音が鳴った。


名前を確認すると『赤葦くん』


少し驚きながらスマホを取ると、
赤葦 京治
あ、もしもし。
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
どうかしたの?
珍しいね、電話なんて。
連絡をすることは多いけど、


電話は中々珍しいことだった。
赤葦 京治
…いや、ちょっと、これから2人程…
人を家に連れてくんだけど、大丈夫?
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
え?うん、大丈夫だと思う。
掃除は国見くんがしてくれたし…。
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
何か食べ物とかは要る?
私が出来ることと言えば料理だし、


もし食べ物が要るなら用意したい。
赤葦 京治
いや、そっち専門の人だし、うーん…でも…あ、え?おにぎり持ってく?
どうやらその〝2人〟と話しながらこちらとも話す赤葦くん。
赤葦 京治
分かったよ…、はい、はい。
…で、聞こえてたかな。
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
うん、えっと、おにぎり?
持ってきてくれるの?
赤葦 京治
そう、…え?あー、もう、分かったから。ちょっと黙っててくれる。
赤葦 京治
ごめん、あなた。
やっぱ甘いもの用意できそう…?
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
おぉ、えっとね、ちょっと待って。
大分疲れきった声をしながら、更に申し訳なさそうにする。


それから急いで冷蔵庫を確認すると、


何となく作れそうなものが頭に浮かんだ。
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
うん!大丈夫、あ、でも時間によるな…。どれくらい?
赤葦 京治
今うちの大学前。少しまた駄弁りそうだから、大体一時間くらい。
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
うーん、すぐ作れば丁度いいかな!
了解です!
赤葦 京治
ほんとごめん。大分…えっと、木兎さん位賑やかな人達だから。よろしく。
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
…?大丈夫だよ、待ってます!
面白い人達、って意味かな?


それならもう大歓迎だなぁ…!
赤葦 京治
ふふ、ありがと。
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
はーい。
それからスマホを置いて、急ぎ準備をする。
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
…でも、急になんて珍しい。
これもまたバレー関係の人かな。
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
よぉし…張り切っちゃおう。
それから私は二種類のお菓子を用意するため、


とにかく手を動かした。


洗い物は多くなるけれど、お客様にお出しするものだし、


別に構わない。


美味しいものを提供する為、だもんね。
それから思考と手を休めることなく作り続けて40分。
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
ふぅ…こんなもんかな!
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
念のため掃除を…と。
今日は皆練習とか講義やらで忙しいのだとか。


そんな中唯一バイトも無く、午前講義のみな私。


当然暇なわけで、お昼は友達とランチをし、


買い物を済ませて帰ってきて暇を持て余してた訳だ。


勿論課題も無いわけではない。


でも夜型だし、白布くんなんかはたまに教えてくれることもあるから、


正直心配はいらない…あまり頼っちゃダメだけど…。


何て考えていたら、


『ガチャッ』
???
『お邪魔しやーーーす!!』
やけに息の揃った声が、一人だった静かな家に響いた。
赤葦 京治
ただいま…。
と共に死にかけている赤葦くんの声。


今すぐ寝てほしいという気持ちもある。
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
はいっ、いらっしゃいです!
赤葦くんはおかえりなさい!
 天瀬 (You)
天瀬 (You)
ん…???ふ、双子…??
元気に挨拶してくださった二人は、


なんと、顔と姿が瓜二つな双子でした…!

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