第14話

付き合って…!!
211
2020/05/05 07:29
…って…
…一人で来たはいいものの…
泉谷 千咲
泉谷 千咲
(…やばい…)
泉谷 千咲
泉谷 千咲
(…入りにくすぎる…!!!)
いつもの下校通路。
その近くで男性用のファッションを扱っているお店は、限られてくる。
本当ならもっと遠出して、沢山ファッションショップが並んでいる街並みに行ってゆっくり探したいところだけど…
帰ってご飯作ってお風呂入れて洗濯物畳んで…
なんてする時間を考えれば、ここら辺で探すしかない…。
…なんて考えながら歩いていると、
お昼に記事で見かけた服に少し似ている服が飾られているお店を発見した。
…でも…
女性用の服がほとんどない、ほぼ男子専用って言っていいほどの品揃えの店で…
私一人で入れば、いかにも「彼氏にプレゼントで渡す服を選んでます!」感が出るのが恥ずかしい…。
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…はぁ〜…
泉谷 千咲
泉谷 千咲
(この服…かっこいいと思うんだけどなぁ〜…)
引き下がるのもしゃくで、しばらくお店の前をうろちょろしていると…
日向 北斗
日向 北斗
…千咲…?
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…っ!北斗っ!
…っていうか今サラッと名前で呼ばれた…!?
日向 北斗
日向 北斗
何やってんだよ。こんな店の前で…。
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…あ、いや!これはっ…
恥ずかしくて後ずさりする。
…いや、待てよ…?
こいつに頼めば…
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…北斗っ!
日向 北斗
日向 北斗
…んぁ?
泉谷 千咲
泉谷 千咲
お願い!付き合って…!!
日向 北斗
日向 北斗
…はぁ…!?
グイッ
そう言って北斗の腕を引っ張って、無理やり店の中に入っていった_。
店の中
日向 北斗
日向 北斗
…ったく!なんだよいきなりっ…!
泉谷 千咲
泉谷 千咲
いやー…その…直樹くんの誕プレに…なにか服プレゼントしようと思ってて…でも私一人じゃこんなお店入りにくくて…
ごにょごにょ言い訳をしていると、
日向 北斗
日向 北斗
…なんだ、そういうことか。
少しニヤついた北斗がお店を見渡す
日向 北斗
日向 北斗
よし、じゃあ選ぶの付き合ってやる。
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…ほんと!?
日向 北斗
日向 北斗
その代わり!
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…っ!
日向 北斗
日向 北斗
俺ら二人からのプレゼントってことで、渡せ。
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…はぁ!?
日向 北斗
日向 北斗
だってわざわざあいつのために選んで買って…って、めんどくせぇんだもんよぉー…
日向 北斗
日向 北斗
あ、もちろん半分は出すから!な?
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…いや、なんでよ!私が服あげたいって思って選ぶんだから、あんたは違うの探しなさいよっ!!
日向 北斗
日向 北斗
いいじゃねぇかよ、どうせ一人じゃ払えねぇだろ?こんな高い店…
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…え…
チラッとそばにあった服のタグを見てみる…
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…っ!?
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…こ、こんなに…!?
形や柄ばっかりを考えすぎて…値段まで頭に入れてなかったぁ…。
バイトしてない私には…戦えそうもない…。
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…うぅ…わ、分かっ…た…。
…負けた…。
日向 北斗
日向 北斗
よぉし!じゃ、さっさと探して帰るぞー!
こいつ…ただ何あげようか悩んだり、探したりするの省きたかっただけじゃん…。
泉谷 千咲
泉谷 千咲
(やっぱり非常識ド変態無愛想思いやりなし男!!!)
こいつへの名前の言い回しには、終わりは来ないようだ_。

プリ小説オーディオドラマ