…って…
…一人で来たはいいものの…
いつもの下校通路。
その近くで男性用のファッションを扱っているお店は、限られてくる。
本当ならもっと遠出して、沢山ファッションショップが並んでいる街並みに行ってゆっくり探したいところだけど…
帰ってご飯作ってお風呂入れて洗濯物畳んで…
なんてする時間を考えれば、ここら辺で探すしかない…。
…なんて考えながら歩いていると、
お昼に記事で見かけた服に少し似ている服が飾られているお店を発見した。
…でも…
女性用の服がほとんどない、ほぼ男子専用って言っていいほどの品揃えの店で…
私一人で入れば、いかにも「彼氏にプレゼントで渡す服を選んでます!」感が出るのが恥ずかしい…。
引き下がるのもしゃくで、しばらくお店の前をうろちょろしていると…
…っていうか今サラッと名前で呼ばれた…!?
恥ずかしくて後ずさりする。
…いや、待てよ…?
こいつに頼めば…
グイッ
そう言って北斗の腕を引っ張って、無理やり店の中に入っていった_。
店の中
ごにょごにょ言い訳をしていると、
少しニヤついた北斗がお店を見渡す
チラッとそばにあった服のタグを見てみる…
形や柄ばっかりを考えすぎて…値段まで頭に入れてなかったぁ…。
バイトしてない私には…戦えそうもない…。
…負けた…。
こいつ…ただ何あげようか悩んだり、探したりするの省きたかっただけじゃん…。
こいつへの名前の言い回しには、終わりは来ないようだ_。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!