第48話

体育祭
185
2020/09/12 11:32
あれから…少し日が過ぎた…。
楓ちゃんは覚悟を決めた様子に見えたものの…
あれから音沙汰無し…。
でも直樹によれば、手紙も日に日に無くなっているらしい。
そして今日は…
岡田先生
岡田先生
はい!お前らー!さっさと並べよ〜
日向 北斗
日向 北斗
体育館の中くそ暑ぃな…
泉谷 千咲
泉谷 千咲
うちの高校、毎年体育館でやるらしいよ?密閉空間辛いよね…。
小林 凛
小林 凛
えー!でも外よりマシじゃない?日焼けしちゃうし!
日向 直樹
日向 直樹
女の子は大変だね…笑
日向 北斗
日向 北斗
女子の日焼け事情なんか知るかよ…。
そう。
今日は体育祭。
小林 凛
小林 凛
あ!ほらほらっ!うちのクラスも収集かかってる!
小林 凛
小林 凛
行くよっ!北斗くんっ!
凛が北斗の背中を押して、隣のクラスの列へ入っていく。
日向 北斗
日向 北斗
…ぅわっ!ちょ!押すなって…!
取り残されたのは、私と直樹。
日向 直樹
日向 直樹
小林さん…だっけ?北斗とあんな仲良かったっけ…?笑
泉谷 千咲
泉谷 千咲
なんか、体育祭の準備で一緒に行動することが増えて、話すようになったらしいよ?
「あんたの同居人がどんなやつなのか、この私が見極めてやるわよっ…!」
なんて言って、実は凛が自分から北斗と同じ競技出場をこぎつけたなんて…直樹には言えそうもない…笑
泉谷 千咲
泉谷 千咲
……
楓ちゃん…いないな…。
私が一年生の集まる方を見ていると…
日向 直樹
日向 直樹
あ、…もう別れたってことにしてても…やっぱ気になるよな…
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…え…?
直樹は私の探してる人を察したってことかな…。
手紙の件は収まってきて、楓ちゃんにも恋人のフリということがバレて、(っていうか直樹がバラしちゃって。)
結局周りには「友達に戻った」ということにしたのが、ついこの間のこと。
日向 直樹
日向 直樹
…なんか…ごめんな…迷惑かけて…
「迷惑かけて」なんて…
まぁ確かに私には関係の無いことなのかもしれないけど…
でもなんだか直樹に「関係ない。」と言われているようで…悲しくなってくる。
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…っ。
でも…直樹は知らないだろうけど…!
私にだって…同じ直樹を好きな人間として…関係あるんだよ…?
まぁ言えないけどさ…。
私の中でモヤモヤとしたものが渦巻いていた_。
そして…体育祭のプログラムが進められていく中…
泉谷 千咲
泉谷 千咲
……。
私はずっと、楓ちゃんの覚悟が気になって仕方なかった…。
日向 北斗
日向 北斗
なにボケっとしてんだよ
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…え…北斗…
日向 北斗
日向 北斗
お前この前まで体育祭の練習楽しんでたじゃねぇか
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…っていうかなんで北斗がいるの?クラスは?
日向 北斗
日向 北斗
今から「棒引き」出るんだよ、笑
泉谷 千咲
泉谷 千咲
あー…なるほど笑
日向 北斗
日向 北斗
見とけ。
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…え…?
日向 北斗
日向 北斗
見とけよ…?俺のこと。
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…な、なんでっ…//
日向 北斗
日向 北斗
…っ…//
日向 北斗
日向 北斗
いいから…!//
顔を赤らめた北斗は、小走りで棒引きの選手が集まる場所へ向かっていった。
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…っ//
み、見とけって…//
『直兄よりも…好きにさせてみせる』
私はまた、北斗の言葉を思い出して…どうすればいいのか分からなくなっていた_。

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