第9話

仲良く
242
2020/05/03 11:29
泉谷 千咲
泉谷 千咲
……はぁぁぁぁぁ〜〜〜…
小林 凛
小林 凛
な、長いため息だこと…笑
昼休み。今日は凛がB組まで来てくれた。
泉谷 千咲
泉谷 千咲
もう毎日気が気じゃないっていうか…体がもたないっていうか…さ…。
小林 凛
小林 凛
直樹くん…?
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…うん…まぁ唯一学校はいつも通りにしてくれるからいいんだけどね…
同居生活が始まって…早1週間。
学校には秘密という話だったけど、
さすがに親友&相談相手である凛に隠し事をする度胸はないので、
直樹くんに双子の弟がいることも、
その二人と1ヶ月一緒に暮らすことになったのも、
内緒にしてもらう約束で全て話した。
小林 凛
小林 凛
でもいいじゃん!!
小林 凛
小林 凛
だって好きな人だよ?
小林 凛
小林 凛
そんな人と一緒に住めるなんて…
小林 凛
小林 凛
付き合って同居する以外に道はないはずなのに…!!♡
泉谷 千咲
泉谷 千咲
それは私も毎日嬉しいんだけどさ…
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…あいつ(その弟)がさ…
小林 凛
小林 凛
あー、日向 北斗くんだっけ?
泉谷 千咲
泉谷 千咲
凛、同じクラスでしょ?
小林 凛
小林 凛
…うんまぁ…目付き悪くて絶対話しかけられないけど…笑
泉谷 千咲
泉谷 千咲
大丈夫なのあいつ…あんな非常識でド変態…。
小林 凛
小林 凛
そ、相当な言われようだね…。
2人で向き合ってお弁当を食べていると…
日向 直樹
日向 直樹
…泉谷。
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…っ!
振り返ると直樹くんが立っている
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…な、直樹くん!
突然すぎてどう対応すればいいのやら…
家で話すことはあっても、今はお互い席も遠く、教室で向こうから話しかけてくれることは滅多にない。
日向 直樹
日向 直樹
あのさ…これ。
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…?
紙…?
二つ折りにしてある1枚の紙…。
日向 直樹
日向 直樹
じゃあ、俺はこれで…
泉谷 千咲
泉谷 千咲
あ…!
それだけ渡すとすぐに教室から出ていってしまった
小林 凛
小林 凛
なになに?ラブレター?♡
向かいの凛は興味津々に紙切れを覗き込んでくる
…なんの紙だろ…?
二つ折りにしてあるのを開くと
「今日の放課後学級委員の会議があって遅くなるから、晩ご飯は適当に食べてくるよ。よろしく。」
と書かれてあった
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…こっ…これは…
小林 凛
小林 凛
なんか新婚夫婦みたい…♡
私と同じくらいのタイミングで内容を読み終えた凛が不意にそんなことを言ってくる
泉谷 千咲
泉谷 千咲
しっ…!?
でもなんだろう…凄く特別な感じがして…
泉谷 千咲
泉谷 千咲
(…なんか…凄い嬉しいんですけど…//)
「好きです」なんて文面じゃないにしろ、
これはこれでなんか…悪くない…。
小林 凛
小林 凛
…っていうか、チサが3人分のご飯作ってるの?
泉谷 千咲
泉谷 千咲
んーまぁこのお弁当と一緒にね、!
泉谷 千咲
泉谷 千咲
バイトしなくていいから、その代わりに私もなにかしないと…とは思うし…
いくら気まずくても、顔合わせたくなくても
さすがに生活費払ってもらってる家庭の人だし、二人とも料理は出来なさそうだし…私がやらなければ…。
小林 凛
小林 凛
ん?なんか下にまだ書いてるけど…?
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…え?
私の持っていた紙の端の方を見て凛が呟く
「あと、父さんから仲良くって言われてるし、たまには北斗と一緒にご飯食べてあげてよ。」
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…っ!?
泉谷 千咲
泉谷 千咲
一緒に…!?
小林 凛
小林 凛
…いいじゃん!弟想いのいい兄で♡
泉谷 千咲
泉谷 千咲
他人事だと思ってぇ…。
三人ならまだしも、あの非常識ド変態と二人きりで…?
小林 凛
小林 凛
ここはお兄様の言うこと聞いて、仲良くディナーしないとねっ!♡
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…はぁ〜…
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…ねぇ凛…このまま夜食べてかない?
小林 凛
小林 凛
逃げないの笑
まぁでも…お互い顔合わせたくない関係のままだと、この先しんどいだろうし…
あの男と仲良くさえなっとけば、今後ここまで疲れるようなことも無くなってくるはず…。
泉谷 千咲
泉谷 千咲
(…仕方ない。)

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