私の前で…北斗が不安そうに頭をかいている…
今はまだ…北斗の気持ちに応えられないとしても…
それでも…!
私が北斗の思いに答えるとすれば…これなんだ…。
たとえ告白の返事は出来ないとしても…。
これだけははっきり伝えられるんだ…。
伝えた後に少し自分で恥ずかしくなってきた…
グイッ
北斗が自然に私の腕を引き、体を抱きしめた。
ギュッ…
体を離すと、「わかったよ…」と受け入れるような北斗の顔があった。
なんか…そう言われると恥ずかしい…//
やっぱり…こんな真剣な北斗は、全然慣れない…。
でも…
私の頬は自然に緩んでいた_。
元気を取り戻した北斗が立ち上がって周りを見渡す…
押し入れの中なんて…何入ってるかわかんないしっ…!笑
苦笑いしながら近くの本を集め始めた。
ガサッ
北斗が一枚の写真を手にする
中学生が大勢集まった集合写真。
北斗が一人の女の子を指差す
私も北斗の隣まで近寄ってまじまじと見ると…
直樹の靴箱に手紙を入れていた、例の後輩女の子を見つけた。
その子が付けていた名札を見て北斗が叫ぶ。
まさか…直樹が私に隠そうとしてたのって…その事…!?
もしかしたらあの二人…昔何かあったとか…?
…き、気になる…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!