第43話

大切なんだよ…?
209
2020/05/29 13:18
私の前で…北斗が不安そうに頭をかいている…
泉谷 千咲
泉谷 千咲
……
今はまだ…北斗の気持ちに応えられないとしても…
それでも…!
泉谷 千咲
泉谷 千咲
勝つとか負けるとか…そんなんじゃないよ…。
日向 北斗
日向 北斗
…え…?
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…私…好きだよ…?
日向 北斗
日向 北斗
…っ!
泉谷 千咲
泉谷 千咲
そりゃあ、まだ、直樹への好きと北斗への好きは違うものかもしれないけど…
泉谷 千咲
泉谷 千咲
でもさっき、お父さんとの電話の時…直樹の言葉だけじゃ私…本音言えてなかったかもしれない…。
泉谷 千咲
泉谷 千咲
北斗が俺もって言ってくれたから…二人が、二人ともが!私と一緒に同居続けたいって言ってくれたから…私もだって思えたんだよ…。
泉谷 千咲
泉谷 千咲
今の私にとって…直樹も北斗も…!大切なんだよ…?
私が北斗の思いに答えるとすれば…これなんだ…。
たとえ告白の返事は出来ないとしても…。
これだけははっきり伝えられるんだ…。
日向 北斗
日向 北斗
…はぁ…んだよそれ…笑
泉谷 千咲
泉谷 千咲
ご、ごめんっ…
伝えた後に少し自分で恥ずかしくなってきた…
日向 北斗
日向 北斗
…でもなんだろうな…
グイッ
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…っ!
北斗が自然に私の腕を引き、体を抱きしめた。
ギュッ…
日向 北斗
日向 北斗
そんなんでも…嬉しいとか思っちまうんだよなー…俺…笑
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…っ…!
体を離すと、「わかったよ…」と受け入れるような北斗の顔があった。
日向 北斗
日向 北斗
…「まだ一緒じゃない」って言ったよな…?
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…え…?
日向 北斗
日向 北斗
…ってことは、「いづれ」直兄への好きと一緒になるかもしれねぇってことだろ?笑
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…っ//
なんか…そう言われると恥ずかしい…//
日向 北斗
日向 北斗
待つよ。
日向 北斗
日向 北斗
告白の返事も…お前が俺の事ちゃんと好きになるのも。
やっぱり…こんな真剣な北斗は、全然慣れない…。
でも…
私の頬は自然に緩んでいた_。
日向 北斗
日向 北斗
…うっし!じゃあとりあえずここ…片付けるか…笑
元気を取り戻した北斗が立ち上がって周りを見渡す…
泉谷 千咲
泉谷 千咲
あ、いや!いいよっ…!私の部屋だし笑
押し入れの中なんて…何入ってるかわかんないしっ…!笑
日向 北斗
日向 北斗
んな事言っても…この量は一人じゃめんどくせぇだろ笑
日向 北斗
日向 北斗
…ってか、よくこんだけの量を押し入れに押し込められたな…笑
苦笑いしながら近くの本を集め始めた。
ガサッ
日向 北斗
日向 北斗
ん?
北斗が一枚の写真を手にする
日向 北斗
日向 北斗
これ、いつのやつ?
泉谷 千咲
泉谷 千咲
え…?
泉谷 千咲
泉谷 千咲
あー…中学の時のボランティアの写真…?
中学生が大勢集まった集合写真。
泉谷 千咲
泉谷 千咲
確か、色んな中学から何人かボランティアに参加して、地域のゴミ拾いとかしてたっけ…笑
日向 北斗
日向 北斗
…これ…
北斗が一人の女の子を指差す
泉谷 千咲
泉谷 千咲
ん?
私も北斗の隣まで近寄ってまじまじと見ると…
直樹の靴箱に手紙を入れていた、例の後輩女の子を見つけた。
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…あ!この子…!!
日向 北斗
日向 北斗
北中って…俺と直兄と同じ中学じゃねぇか…!
その子が付けていた名札を見て北斗が叫ぶ。
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…え!?本当に…!?
まさか…直樹が私に隠そうとしてたのって…その事…!?
もしかしたらあの二人…昔何かあったとか…?
…き、気になる…

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