第68話

お前しかいねぇから言ってんだろ…!!
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2020/09/15 10:05
北斗の部屋。
泉谷 千咲
泉谷 千咲
……グスッ…
日向 北斗
日向 北斗
……
私が泣く傍で…北斗は黙っていた。
スッ…
北斗は…ゆっくりと手を伸ばして…
サラッ
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…っ…!
私の頬を伝う涙を親指で拭った。
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…北斗…?
日向 北斗
日向 北斗
……なんで…
日向 北斗
日向 北斗
俺じゃダメなんだよ…。
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…えっ…?
日向 北斗
日向 北斗
お前…俺ら2人のこと見て大事だって思ったんだろ…?
日向 北斗
日向 北斗
伝えても振られるかもしれねぇって不安なんだろ…?
日向 北斗
日向 北斗
…なんで直兄なんだよ…いつもいつもっ…
北斗は冷静じゃなかった…。
泉谷 千咲
泉谷 千咲
……。
『なにそれ』
私の脳裏によぎったのは…凛の表情。
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…北斗には…私なんかよりもっと…北斗のこと近くで見てくれてる子がいるよっ…
日向 北斗
日向 北斗
…っ…!
グイッ…!
…チュ
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…んっ…!?
すごい勢いで私の頭を掴み、唇を合わせてくる北斗。
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…んっ…ちょっ…やめっ…!!
唇が離れたと思ったら
日向 北斗
日向 北斗
…お前しかいねぇから言ってんだろ…!!
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…っ…!
目の前の北斗は…息を荒くして叫んだ…。
日向 北斗
日向 北斗
…お前しかっ…
こんな表情の北斗…初めて…。
グイッ!
…チュッ…
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…ちょっ…と…ほくっ…と…!!
必死に身体を離そうとするが…ビクともしない。
ガクッ
バタンッ!!
そのまま北斗に上から押し倒されるように床に倒れた私。
泉谷 千咲
泉谷 千咲
待ってっ…北斗…!!
上から迫ってくる北斗を両手で抑えようと、北斗の肩を掴んで叫んだ
日向 北斗
日向 北斗
…待たねぇ
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…っ…!!
…チュ
その手を体で押し返すかのように…そのまま唇をまた重ねてくる…
…強い力…
今の北斗には…理性がないように見える…
…ダメだよ…こんなのっ…!
やめてっ…北斗…!!!
…コンコン
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…っ!!
日向 北斗
日向 北斗
…っ!
突然、部屋の扉が叩かれた
日向 夏実
日向 夏実
ただいま〜!北斗〜?いるのー!?
部屋の向こう側から聞こえる声。
日向 北斗
日向 北斗
…っ。
北斗は嫌そうな顔で身体を起こして立ち上がった
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…はぁ…はぁ…
…ドクンドクンドクン…
心臓の音が脳裏からガンガン聞こえてくる…
ガチャ…
日向 夏実
日向 夏実
…北斗…!いるなら返事してよ…!
日向 北斗
日向 北斗
…なんだよ。
日向 夏実
日向 夏実
あ!千咲ちゃんもいるじゃん!家のどこにもいないからどこ行ったのかと思ったっ!
私の顔を見て笑顔でお姉さんはそう言う
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…お、おかえりなさいっ…
日向 夏実
日向 夏実
ただいま!お風呂入ってるから、千咲ちゃん先に入っちゃいなよっ!
泉谷 千咲
泉谷 千咲
は、はい…!
タッタッタッ…!
私は逃げるように北斗の部屋を後にした。
日向 北斗
日向 北斗
直兄もいんだろ…?
日向 夏実
日向 夏実
レディーファーストってもんがあるでしょー?
日向 夏実
日向 夏実
男の風呂は臭いからねぇ〜笑
日向 北斗
日向 北斗
…ったく…。
日向 夏実
日向 夏実
……
日向 北斗
日向 北斗
…どっから聞いてたんだよ。
日向 夏実
日向 夏実
…えー?
日向 北斗
日向 北斗
俺らの話。どうせ割り込みに来たんだろ。
日向 夏実
日向 夏実
…なんのことー…?
日向 北斗
日向 北斗
……
日向 北斗
日向 北斗
…笑いたきゃ笑えよ…。
日向 北斗
日向 北斗
「みっともねぇ」って…
日向 夏実
日向 夏実
……。
日向 夏実
日向 夏実
…笑わないよ…。

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