『俺お前のこと好きだから。』
北斗の衝撃の告白から…一夜が明けた。
ガチャ
眠そうな直樹があくびをしながら部屋から出てきた
キッチンに並べられたお弁当箱を見て、直樹が呟く。
いつもなら、一緒に住んでることがバレないように、お弁当は自分のだけを作るが、今日は三人分。
昨日の北斗が、また頭に浮かぶ。
あー…考えちゃダメ…。
平然を装う。
話題を無理やり変えるかのように、おかずを詰め終わったお弁当箱を直樹に手渡す私。
本当は北斗と顔合わせづらいからなんだけど…。
私が玄関のドアを開けようとすると…
ガチャン
学校までの道を歩きながら、一人で考える…。
『なんかあったら、俺に言えよ?』
…そんな、彼氏みたいなこと言わないでよ…
ドクン…ドクン…
朝だろうとお構いなく、心臓はうるさい。
…でも、さすがに…
『俺お前のこと好きだから。』
何度も頭で流れるその言葉。
そうだよ…!今だってこんなにドキドキして…!
ちゃんと断ろう。
北斗には申し訳ないけど、自分に素直に…。
私の足取りは、少しだけ早くなった_。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。