第34話

なんかあった
208
2020/05/17 08:34
『俺お前のこと好きだから。』
北斗の衝撃の告白から…一夜が明けた。
ガチャ
日向 直樹
日向 直樹
ふぁ〜…あ、おはよ!
眠そうな直樹があくびをしながら部屋から出てきた
泉谷 千咲
泉谷 千咲
おはよ、直樹
日向 直樹
日向 直樹
あれ?俺らの弁当?
キッチンに並べられたお弁当箱を見て、直樹が呟く。
泉谷 千咲
泉谷 千咲
う、うん。昨日、夜ご飯作り損ねちゃったから…そのお詫びっていうか…
いつもなら、一緒に住んでることがバレないように、お弁当は自分のだけを作るが、今日は三人分。
泉谷 千咲
泉谷 千咲
いつも二人とも購買のパンだし…
日向 直樹
日向 直樹
別にそんな気使わなくて良かったのに笑
日向 直樹
日向 直樹
そういえば昨日、大丈夫だった?
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…っ!え、あ、うん…!
昨日の北斗が、また頭に浮かぶ。
泉谷 千咲
泉谷 千咲
ごめんね!心配かけちゃって…!
日向 直樹
日向 直樹
いや、俺より北斗の方が心配してたよ笑
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…そ、そっか…
あー…考えちゃダメ…。
日向 直樹
日向 直樹
なんか、あった?北斗と。
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…っ!
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…う、ううん。なんにもないよ。
平然を装う。
日向 直樹
日向 直樹
そっか。
泉谷 千咲
泉谷 千咲
はい、これ!直樹の分!
話題を無理やり変えるかのように、おかずを詰め終わったお弁当箱を直樹に手渡す私。
日向 直樹
日向 直樹
サンキュ!
泉谷 千咲
泉谷 千咲
じゃあ私、行ってくるね
日向 直樹
日向 直樹
え!?もう?早くない?
泉谷 千咲
泉谷 千咲
まぁ、たまにはねっ
本当は北斗と顔合わせづらいからなんだけど…。
私が玄関のドアを開けようとすると…
日向 直樹
日向 直樹
千咲
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…ん?
日向 直樹
日向 直樹
なんかあったら、俺に言えよ?
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…っ…//
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…うん、ありがとう。
泉谷 千咲
泉谷 千咲
あ、北斗が起きたら、お弁当渡してあげて
日向 直樹
日向 直樹
…分かった、行ってらっしゃい。
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…い、いってきます
ガチャン
学校までの道を歩きながら、一人で考える…。
『なんかあったら、俺に言えよ?』
…そんな、彼氏みたいなこと言わないでよ…
ドクン…ドクン…
朝だろうとお構いなく、心臓はうるさい。
…でも、さすがに…
泉谷 千咲
泉谷 千咲
(…言えないよ。)
『俺お前のこと好きだから。』
何度も頭で流れるその言葉。
泉谷 千咲
泉谷 千咲
(…ダメだ…考えるなっ…私は直樹が好きなんだから!)
そうだよ…!今だってこんなにドキドキして…!
ちゃんと断ろう。
北斗には申し訳ないけど、自分に素直に…。
私の足取りは、少しだけ早くなった_。

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