直樹に何故か連れられて一緒に家を出た私。
…直樹の思考が全く分からない…。
溜まりに溜まった疑問を直樹に投げかける
直樹は目を逸らす
その横顔は少し赤い。
…もしかして…直樹…
少し予想した答えだったけど
いざ直樹の口から直接聞くと、私の胸が素直に音を立てた。
質問した私も恥ずかしくなって目を逸らす。
…そっか…
やっぱりこの前のあれは…本気でっ…//
あの出来事がフラッシュバックして体が熱くなる。
直樹を見ると、手元に目線を寄せていた。
私も手元を見ると
スッ
私よりひと回り以上も大きい手がこちらに差し出されていた…。
…最後に繋いだのは…恋人のフリをしてた時…。
直樹と、フリじゃない状態で繋げるなんて…幸せでしかない…。
…でも…今の私は…まだ直樹に何も答えられていない。
付き合っているわけじゃない。
ギュッ
私がその場で考えていたのが伝わったのか、
直樹は積極的に私の手を掴んで歩き出す
いつもなら…私の片思いだけだったのに
急に直樹から来られるとっ…
そのまま流れに任せて私も手を握り返そうかと思った時…
パシッ!
後ろから誰かが私と繋がれてる直樹の手を払った。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。