第66話

なにそれ
165
2020/09/09 23:25
小林 凛
小林 凛
…えっ?…告白って…!?
泉谷 千咲
泉谷 千咲
……
私の言葉を聞いた凛は、目の前で目を丸くしていた。
小林 凛
小林 凛
…えっ…ってことは…付き合ってるの…?
小林 凛
小林 凛
いやでもあんたっ…直樹くんのことっ…
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…うん…
泉谷 千咲
泉谷 千咲
だからっ…まだ何も返せてないのっ…。
小林 凛
小林 凛
…え…?
小林 凛
小林 凛
なんでっ…
泉谷 千咲
泉谷 千咲
いやっ…その…
泉谷 千咲
泉谷 千咲
直樹の事はもちろん…ずっとずっと好きだし…
泉谷 千咲
泉谷 千咲
でも…一緒に暮らして…
泉谷 千咲
泉谷 千咲
北斗も大切な存在っていうか…
今のこの感情は
私自身だってちゃんと分かってない。
でも…
凛には隠したくない。
ちゃんと伝えたい。
そして願わくば…
理解者としてっ…。
泉谷 千咲
泉谷 千咲
私がちゃんとした返事をすれば…今のこの関係じゃなくなるのは確かで…
泉谷 千咲
泉谷 千咲
だからっ…
泉谷 千咲
泉谷 千咲
壊したくなくて…
泉谷 千咲
泉谷 千咲
今を大事にしたくて…
直樹も北斗も…
大事…。
だからっ…
小林 凛
小林 凛
なにそれ
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…っ…。
冷たい言葉だった。
小林 凛
小林 凛
…っ…あっ…いや…
一瞬私の目に映ったのは…
卑劣な目をした凛。
泉谷 千咲
泉谷 千咲
……
泉谷 千咲
泉谷 千咲
ごめん…
小林 凛
小林 凛
…いやっ…ごめん私も…
小林 凛
小林 凛
なんか…なんて言ったらいいのか…分かんなくて…
泉谷 千咲
泉谷 千咲
……
小林 凛
小林 凛
もう…この辺でいいや…
凛は少し立ち止まって私を見た
小林 凛
小林 凛
今日はありがとう
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…いつもの分かれ道まで行くよっ…?
小林 凛
小林 凛
いいって
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…っ。
小林 凛
小林 凛
…じゃあ…またね。
タッタッタッ…
泉谷 千咲
泉谷 千咲
……
『ちょっと一人にさせて』
『今は私に構わないで』
『来ないで』
私が聞こえた言葉はこれだった。
…どうしよう
…私が北斗への思いに応えていなかった事が…
こんなにも凛を傷つけるなんて…
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…っ。
冷静に考えれば、私が凛の立場でも同じように思うはず…。
『なにそれ』って…
『自分勝手じゃない?』って…
『そんなのズルくない?』って…
……
…今のままじゃ…
ダメだよ…
凛にも北斗にも…
私は最低になるだけだ…。
私は来た道を駆け足で戻った_。

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