第63話

お前のおかげだろ
168
2020/09/02 11:03
しばらく時間が過ぎた後、
北斗が時計を見て呟いた。
日向 北斗
日向 北斗
…もう2時間も経ってんじゃねぇか
泉谷 千咲
泉谷 千咲
…え、嘘!?
小林 凛
小林 凛
集中してたらあっという間だね…
日向 北斗
日向 北斗
…夏姉の帰り、遅くね…?
日向 直樹
日向 直樹
あーそれならさっきLINEが入ってたような…
直樹が携帯を手に取る
日向 直樹
日向 直樹
あ、やっぱ夜までかかるらしい。飯食べてくるからいらねぇってよ
泉谷 千咲
泉谷 千咲
そっか…
昨日の4人で盛り上がって食べた夕食を思い出して、少し寂しく感じた。
泉谷 千咲
泉谷 千咲
凛は時間大丈夫…?
小林 凛
小林 凛
あ、うん!私は全然!
日向 北斗
日向 北斗
せっかくだし晩飯お前も食べてけば?
小林 凛
小林 凛
え!いいの!?
泉谷 千咲
泉谷 千咲
そうだね!材料も4人分買ってたし、丁度いいじゃん!食べていきなよっ!
小林 凛
小林 凛
やったっ!チサの手料理食べてみたかったんだぁ…!
泉谷 千咲
泉谷 千咲
よしっ!そろそろ支度しなきゃね…!
私はノートを閉じて立ち上がり、キッチンへ向かった
小林 凛
小林 凛
やっぱ凄いなぁチサは…!
小林 凛
小林 凛
昔は料理とかそういう家事出来ないイメージ強かったんだけどなぁ…笑
日向 直樹
日向 直樹
2人っていつからの付き合いなの?
小林 凛
小林 凛
…中学から!
小林 凛
小林 凛
中学の時の調理実習でチサが玉ねぎのみじん切り任されて、不器用だから思いっ切り指切っちゃって…玉ねぎ血だけになってたの覚えてる…笑
日向 北斗
日向 北斗
うわっ…痛そ…
小林 凛
小林 凛
でもやっぱ…お母さんいないからって努力したんだろうな…。
日向 直樹
日向 直樹
……。
日向 北斗
日向 北斗
……。
小林 凛
小林 凛
一時期…お母さん亡くなって…本当に大丈夫かなって思う時もあったけど…
小林 凛
小林 凛
あんなにチサが笑ってられるようになったの…2人のおかげかもね…!
日向 直樹
日向 直樹
…っ
日向 北斗
日向 北斗
…俺らじゃねぇだろ
小林 凛
小林 凛
…え…?
日向 北斗
日向 北斗
俺と初めて会って、3人でシェアハウスするってなる時にはもう…あいつあんな感じだったよ。
日向 北斗
日向 北斗
…だから…
日向 北斗
日向 北斗
…俺らじゃなくて…お前おかげ…だろ?
日向 北斗
日向 北斗
凛。
小林 凛
小林 凛
…っ!//
小林 凛
小林 凛
…な、名前っ…//
日向 北斗
日向 北斗
あー…わり。
日向 北斗
日向 北斗
…お前の苗字あんま聞かねぇから…
小林 凛
小林 凛
…小林 凛。
日向 北斗
日向 北斗
…小林か。
小林 凛
小林 凛
…でも…別に…いいけどっ…
小林 凛
小林 凛
…名前…でも…、、//
ふと料理から目を離した私が見たのは、凛の少し赤く染めた、微笑んだ顔だった_。

プリ小説オーディオドラマ