教室に入りしばらくすると
少し髪の毛が短くなった担任がニコニコと教室に入ってきて
夏休み明け、二学期初の、HRが始まった。
おぉ〜!!と教室全体がざわめく。
1年生の頃からずっと楽しみだった行事!!
確かこの学校は京都に2泊3日だったっけ…!
そう言って岡田先生が教室を出ていくと同時に
1時間目のチャイムが鳴った…。
1年生で修学旅行に憧れてた時は…
凛と2人で同じクラスになったら絶対同じ部屋に泊まろうね!なんて話してたのが今じゃ懐かしい。
クラスにも仲良い子は数名いるけど、
凛ほどずっと一緒にいる仲の子はいない。
まぁ決めるのは6限だし、
それまでに誰かに声掛ければ大丈夫か!
_____
……
なんかHR終わってすぐにグループ出来てるっぽくて…。
やば…。
完全にこれは余り物のパターンじゃん…。
6時間目に入り、凛と同じ部屋で騒ぐ夢は諦めて、私が肩を落とした時…
振り返ると直樹が私の席まで近寄ってきた。
グイッ
何も言わずに私を立ち上がらせて移動する…。
「おー!泉谷いたじゃん!」
直樹と同じグループに決めたらしきクラスの男子が、私を見て言う。
「じゃあ一人目は泉谷な!」
もう一人の男子もそうテンションを上げた。
「おう!でも京都の寺の中で騒ぐんじゃねぇぞ?笑」
ということで、直樹の行いのおかげで、私は無事にグループに加入できた_。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!