第9話

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2021/01/04 10:35
あなたside










季節はもう夏。
すっごく暑い日が続いて、撮影も大変に。


そんな時に緊急事態。撮影場所の冷房が壊れてしまった。








『暑い…』

星野「暑いな…」

綾野「暑いね…」

岡田「暑いですね…」

『あぁ、暑いだけ言ってると暑くなりますよね!
あーすっごく涼しい!なにこれ!涼しいんだけど!!!』

星野「暑さで頭おかしくなったんじゃないか?」

岡田「有り得ますね」

綾野「あなたちゃん大丈夫?」

『多分大丈夫じゃないですね』






そこで、スタッフの方が氷を持ってきてくれた








『わ〜ありがとうございます!!!』

綾野「はぁー冷たい…」

星野「生き返る〜」








ドラマの方は、そんなに夏って感じの場面じゃないから、源さんに至ってはコートまで着る時もある。
私の格好は走りやすいように、ボーイッシュな格好だ。パーカーだったりジーパンだったり。










撮影が始まる直前に、噴き出した汗を拭いてから準備をする。






よし!頑張るか!!


気合いを入れ直し、撮影に挑んだ。











そして今日も、楽しい撮影が終わる。



すると健史くんが話しかけてきた








岡田「今日ご飯食べない?」

『え!いいの?』

岡田「もちろん。」

『やった!何気に初めてじゃない?』

岡田「そうだね。楽しみ」












お店に入ると、もう予約してくれていたみたいで、個室に移動させてくれた。




『ありがとう、全部やってくれて』

岡田「気にしないで
それより、俺はあなたちゃんの話が聞きたい」

『話?』







メニューが運ばれて、乾杯をしたところで健史くんが聞いてきた。話ってなんだ?







岡田「剛さんの話!!剛さんのことなんとも思ってないの?尊敬する先輩としか?」

『うん。』

岡田「俺には違うふうに見えるけどなぁ、」

『そーゆー健史くんこそどうなの!』

岡田「ん?」

『恋愛とか、興味無いの?
まぁこういう職業だから難しいとは思うけどさ』

岡田「あなたちゃん全然狙うよ?」

『…へ?』

岡田「剛さんいなかったら狙ってた。めちゃくちゃアタックしてた」

『ちょ、え、?』








いきなりのカミングアウトに驚きが隠せない。








岡田「前共演した時から惹かれてたもん。
まぁ剛さんという強敵が現れてからは、2人がお似合いすぎて付け入る隙がなくなっちゃったけどね笑」

『待って話に追いつけない、』

岡田「だーかーら!
俺はあなたちゃんのことが好きなの。」

『健史くんが?私を!?』

岡田「そう。
…剛さんの事何も思ってないなら、俺本気になるよ?」






沈黙が続く。
なんと返していいか分からない。







岡田「ま、まだ自分の気持ちに気付いてないだけだと思うけど、
確実に2人はお似合いだよ笑」

『…ありがとう、?』

岡田「ふは、笑
まぁこれからもよろしくってことで、食べよっか」

『…うん!』







それからは、ドラマの話、映画の話を沢山した。
気付いたら2人とも結構出来上がっていた。明日休みで良かった〜






岡田「送ってくよ」

『え、いいのに、』

岡田「好きな子1人で帰らせると思う?こんな夜に」








黙ってしまった私の手を引いて、健史くんが歩き出した。








ありがとう、と呟くと



俺がしたくてしてる事だから、と健史くんは微笑んだ。










ドキドキしてるのに、

隣にいるのは健史くんなのに、




何故か浮かぶのは、剛さんの顔。

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