《今日も1日なんとか乗りきったー。
C5に目をつけられないように気を付けなきゃ》
俯きながら帰る足を急かそうとしたその時
たくさんのビラを
周りの英徳の生徒に配っている
桃乃園の男子生徒たち。
強めに押されて、
渋々受け取る。
と、そのビラにはドでかく天馬くんが。
そう。
天馬くんは桃乃園学園生徒会長で
かなりここら辺では知名度が高く
有名人なんだとか。
そんな人が自分の婚約者だなんて…
いまだに信じられないけど…。
後ろから聞こえてきた罵声に
勢いよく振り替えると
やっぱりそこには
C5!!
そう言って神楽木は天馬くんが載るビラを
靴で踏んづけた。
ハッ!とした時既に遅し…
目の前にいる神楽木は怪訝そうな顔で
私を見下ろしている。
ま、まずい!!
こういう時は直ちに避難した方がいい!
私はその場を駆け足で逃げ出した。
後ろから聞こえる大声を無視して。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!