第2話

story
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2018/05/18 08:59
…1年半後…



ー現在ー。
《お父さんの会社が倒産して


当たり前は全て崩れ落ちた。》
朝、起きたら


自分で作った少しのおかずを

小さなお弁当箱につめる。

100均で買った水筒には水道水。


これが、今の私の日常。




《シャンプー代がもったいなくて、

髪も短く切った。》
お母さん
ウフフ。
じゃあ、それも頂くわ
ソファーの上でいつものように

眠っていたお母さんがいきなり飛び起きたかと

思えば、


何か寝言をいいながらまた眠っていった。
江戸川 音 (えどがわ おと)
フフフ…行ってきます
お母さんを起こさないように、

小声で言って、そっと私は家を出た。



ながーい学校への道のりを歩いていく。



学校に近づいていくと、

次々に通りすぎていく高級車たち。
《私の手の中に残ったのは、

この学園の制服だけだ。

私がなくした当たり前を持つ

スーパーセレブの子女が通う名門学校。英徳学園》
女子
春休みにバリでやったスパが良すぎて…
女子
今度一緒にここいかない
ケアンズのヒルトンの中にあるんだけど
当たり前のように交わされる金持ちらしい会話。
麻美・京子
音さん、ごきげんよう
江戸川 音 (えどがわ おと)
ご、ごきげんよう
友達の麻美と京子。

彼女たちももちろん、

お金持ちのご令嬢。

つまり、今の私では釣り合うはずのない人達。

友達であるこの二人でも

私は気が気でない。


いっつも気を使わなきゃいけないし。

この二人は友達だと思っていた人が、

実は貧乏だった…。

なんて知った時はどうなるんだろう?



そんな人達が集まるこの学園で、

私の家庭の話は断じてしてはならない。

バレてはいけない。


だって、この学園には…

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