私がこの病気にかかったのは突然だった。
なんの予兆もなく、私は倒れた。
数日間、死人のように眠り続けた私は、起きたのが奇跡らしい。
ただ1つ、覚えていること。
死を、すぐに覚悟したことだ。
あ、私、もうすぐで、余命が切れたら、死ぬんだ。
それしか頭にない。
確かに、そんなの数字だ。
けど、怖いものは怖い。
私の顔から、笑顔はなくなっていった…
そんな私を助けたのが、あの病院の9人の先生。
私を笑顔で助けようと努力してくれる。
最初は、ウザかった。
どうせ、私が死んだら悲しみもしないんだろうなぁって。
そんな妄想だの想像だのしていたから…
けど、違った。
私を、ちゃんと考えてくれていた。
圭人に出会って、それがはっきりと分かった気がする。
私は、純粋に圭人が好き。
だからこそ、私は、圭人にこの思いを伝えるべきだと思っていたのに。
何故だか、体がそれを阻むように、悪化し続けていた…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。