向かった先は近くにあったショッピングモール
特に僕が買いたいものはなかったが、先ほどのるぅとくんの話を聞いてプレゼントをしようと思ったのだ。
確かここにはCDショップも本屋も入っていたはずである。
エスカレーターに乗り2階にあったはずのCDショップに向かう。
大きい音楽が垂れ流されてるその店内で僕はるぅとくんが好きそうな音楽を探した。
好みの音楽をきけばよかったもののあいにく僕はそこまで手の回る人間ではない。
だが、10代の子が好きそうな僕でも聞いたことのある流行りの曲のCDを買えばまぁ好みにはあうだろう。
適当に店内を回っているとティックトックで聞いたことのあるボカロのCDが前に置かれていた。
前に置かれているということはきっと人気なのだろう。
さっさと購入を済ませCDショップは後にした。
そして隣の隣にあった本屋に次は入った。
僕は漫画コーナーならまだわかるが小説コーナーとなるとよくわからない。
仕方なく本を整理していた店員さんに声をかける。
店員さんは僕が言った言葉をそのまま咀嚼する。
高校生に人気な本というのは少し抽象的すぎたな。
そう思いながらも特に付け足す情報もないため店員さんに視線を向けながら待つ
そう言い残し店員さんはどこかに行ってしまった。
本をとってきてくれるのだろうか?
そして3分後。
店員さんは数冊の本をもって僕のもとへと来てくれた
店員さんの本の紹介が続く。
僕にはよくわからないがまぁおすすめなら全部買っていこうと決める。
それにしても僕はなぜるぅとくんをここまで気遣っているのだろう。
改めてその疑問が浮かんだ。
前までの患者はそこまで干渉はしなかった。
るぅとくんが余命が短いからそれに対しての同情?
若いのに余命宣告されてることへの哀れみ?
僕が治せない罪悪感?
いやどれも違う気がする。
それにこの条件にあてはまる患者は何人も出会った。
なんでだろうか…ここまで特別扱いをしているのは
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。