第5話

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2022/09/07 14:03
向かった先は近くにあったショッピングモール

特に僕が買いたいものはなかったが、先ほどのるぅとくんの話を聞いてプレゼントをしようと思ったのだ。

確かここにはCDショップも本屋も入っていたはずである。

エスカレーターに乗り2階にあったはずのCDショップに向かう。

大きい音楽が垂れ流されてるその店内で僕はるぅとくんが好きそうな音楽を探した。

好みの音楽をきけばよかったもののあいにく僕はそこまで手の回る人間ではない。

だが、10代の子が好きそうな僕でも聞いたことのある流行りの曲のCDを買えばまぁ好みにはあうだろう。

適当に店内を回っているとティックトックで聞いたことのあるボカロのCDが前に置かれていた。

前に置かれているということはきっと人気なのだろう。

さっさと購入を済ませCDショップは後にした。

そして隣の隣にあった本屋に次は入った。

僕は漫画コーナーならまだわかるが小説コーナーとなるとよくわからない。

仕方なく本を整理していた店員さんに声をかける。
ころん
すいません。
店員さん
あ、はい!どうされました?
ころん
高校生に人気な本とかってありますか?
店員さん
高校生に人気な本…
店員さんは僕が言った言葉をそのまま咀嚼する。

高校生に人気な本というのは少し抽象的すぎたな。

そう思いながらも特に付け足す情報もないため店員さんに視線を向けながら待つ
店員さん
そうですね…好きなカテゴリーとかありますか?
ころん
カテゴリーはないんですけど…でも、読みごたえがある本がいいです
店員さん
それでしたら…
そう言い残し店員さんはどこかに行ってしまった。

本をとってきてくれるのだろうか?

そして3分後。

店員さんは数冊の本をもって僕のもとへと来てくれた
店員さん
読みごたえがある本でしたらミステリーものなどおすすめです。
結構こちらの本は内容もびっしりで高校生に人気ですね。
こちらも量は多くて高校生には少し難しいかもですが本が好きでしたら読みやすいかと
そして…
店員さんの本の紹介が続く。

僕にはよくわからないがまぁおすすめなら全部買っていこうと決める。

それにしても僕はなぜるぅとくんをここまで気遣っているのだろう。

改めてその疑問が浮かんだ。

前までの患者はそこまで干渉はしなかった。

るぅとくんが余命が短いからそれに対しての同情?

若いのに余命宣告されてることへの哀れみ?

僕が治せない罪悪感?

いやどれも違う気がする。

それにこの条件にあてはまる患者は何人も出会った。

なんでだろうか…ここまで特別扱いをしているのは

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