第2話

1話
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2022/07/28 08:00
今日からここの病床に来る子がいる。

その子は綺麗で儚い子だった

でも、その子はまだ治った事例がない重い病気を抱えていた
るぅと
先生?
ころん
あぁ、ごめん!るぅとくん
るぅと
で、僕の部屋はここですか。
ご飯は看護師さんが持ってきてくれるんですよね?
それと、僕は必要最低限今の様態では外に出てはいけないと
ころん
うん。わかってくれてうれしいよ
るぅと
初めての入院なのであんま勝手はわからないんですけど
ころん
まぁわからないことがあったら聞いてよ
なんでも
るぅと
わかりました
視線を窓の外に向けながらそう答える。

僕のことを信用していないように見受けられた
るぅと
じゃあ一つ聞いていいですか
ころん
うん。どうしたの?
るぅと
僕はいつ死ぬんですか?
ころん
え…
ストレートにそう聞かれることは初めてでうろたえてしまう
るぅと
気使わなくていいんですけど。
僕はいつ死ぬのですか
僕はあんまりしっかり聞かされてないので聞いときたいなっておもいまして
ころん
…一か月
るぅと
そうですか。ありがとうございます
もう出て行ってくださいと言わんばかりに布団にもぐって行ってしまう

彼はまだ学生。

この事実さえも辛いだろう

一人にしてほしいこともあるんだろうなと思い僕は部屋を出る

あと一か月。

僕が担当する一人の患者の高校生の男の子

医者という職業について一年目の僕にこの子を救うことはできるのだろうか

そんな不安が渦巻く中で自分の他の仕事に僕は戻った

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