私達が慌てている間も、
男子生徒は暴れ続け、廊下を走り回っている。
周りに危害が及ぶ前に、何とかしなくちゃ…!
こう思った、その時。
ダダダッ
とうとう、その男子生徒が同じ廊下に来てしまった。
先生はまだ来ない、。
確かにその通りだった。
男子生徒は、
カッターを片手に持ち、
目の焦点が合ってないまま。
シャツも脱いで上半身は裸で、
口からはヨダレが垂れている、。
明らかに、狂っている───。
眠瀬先輩が、ぼそっと呟いた。
薬物…。
言葉を聞いても、イマイチ想像がつかない。
でももしこれが、眠瀬先輩の言う通りなら、
何があっても止めなきゃいけない───。
本当にその通りだ。
何やってんの…!
学校全体に逼迫した空気が流れる。
もうこれ以上は待っていられない、。
そう思っていると、唐突に風和先輩が走り出した。
結構速いスピードで男子生徒に近づいていく───!?
男子生徒が…カッターを風和先輩目掛けて投げた…!!
永遠が風和先輩の前に飛び出して、庇おうとした。
するとカッターは永遠の頬をかすって、下に落ちた…。
永遠の頬から血が出てる──!
直ぐに風和先輩と赫平先輩が男子生徒に飛びかかり、動けないように取り押さえる。
◆◇*:;;;:*◆◇*:;;;:*◆◇*:;;;:*◆◇*:;;;:*◆◇
もうあと少しスピードを出したら階段から落ちるんじゃないかってくらいのスピードで、階段を下る。
階段から落ちたら元も子もないけど、
今はこれしかない。
職員室は1階。一刻も早く着かないと…
…必死の思いで職員室に辿り着き、力ずくでドアをノックする。
でもこの瞬間、先生を呼んだのも、助けを求めたのも、全て無駄だと悟った。
───誰一人として職員室に居なかったから、。
(伝え忘れていましたが今は放課後 by作者)
こんなことがあってもいいのだろうか。
誰も居ないなんて───。
近くの靴箱を見てみると、先生の靴は全てなかった。
ということは、もう全員帰っている…?
いや、ありえない、夜間の見回りとかもあるのに帰るなんて。
でも今は誰も居ないから、警察が来るのを待つしかない、。
…パトカーのサイレンの音が聞こえてきた。
ほっとして、思わず座り込む。
でも、こんなことしてる暇なんてない。早く戻らなきゃ。
そう思って、私は上り階段に足を踏み入れた。
◆◇*:;;;:*◆◇*:;;;:*◆◇*:;;;:*◆◇*:;;;:*◆◇
さっき頬を怪我した永遠は風和先輩から手当を受けている。
風和先輩、不器用なのになぁ…。
風和先輩の気持ちを考えると、胸がぎゅっと締め付けられる感じがした。
自分を守ってくれた永遠に、必死で手当している姿は、今まで見てきた先輩の中で1番綺麗だった、。
…学校の中でたくさんの人数の警察の声がした。
◆◇*:;;;:*◆◇*:;;;:*◆◇*:;;;:*◆◇*:;;;:*◆◇
その後男子生徒はパトカーに乗せられて警察署に行き、
私達は事情聴取を受けることになった。
男子生徒がいきなり暴れ出したこと。
カッターを持っていたこと。
永遠が傷を負ったこと、。
全部全部話した。
警察は私達全員の話を聞き終わったあと、こう言った。
ミスった。完全にミスった。
親に怒られる…ww
警察以外全員の顔が青ざめた。でも、笑いながら、。
◆◇*:;;;:*◆◇*:;;;:*◆◇*:;;;:*◆◇*:;;;:*◆◇




















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。