__________ ツヅキカラ __________
ザーザーザーザー
パラパラパラパラ
雨がずっと傘を打ちつける音だけが
2人の沈黙を遮っていた。
☀️(もうすぐ家だ。)
沈黙が続きすぎて、
あっという間に時間は過ぎた。
🐰「おい。あなた。」
グクが沈黙を遮った。
🐰「風邪…ひくなよ。
ちゃんと、飯くえ。
泣きたいときは泣いて
泣き疲れたら、ヒョンに笑わせて貰え」
突然言われたことだった。
☀️(いきなり、なにゆってんの…。)
🐰「家、着いたぞ。
んじゃぁな。」
私は、急いで家に入った。
さすがに、久々にグクにキレすぎた…。
今日のことをちゃんと説明してくれたから
ちゃんと明日謝ろう。
でも、本当に嫌だったな。
あのキス…。
うん、まぁ明日謝ろう。
そう考えていた、自分が浅はかだった。
それは曇り空から
激しく降る雨が
雲と雲の小さな隙間
一筋刺す太陽の光に反射して
美しいようで美しくない
そんな雨の日に、あった出来事。
まさか、その次の日
グクが…
しかもグクの誕生日のときに限って
いなくなるとは思っていなかった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!