第2話

01 廃部寸前のパソコン部に現れたのは
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2020/02/17 07:52
新井崎先生
おーい、林。
ちょっといいか?
林 梨乃
なんでしょうか?
私忙しいんですけど。
新井崎先生
ほー、たいして活動してないくせに。
林 梨乃
し、失礼な!
新井崎先生
部員はお前以外ほぼ幽霊部員、
部室にも壊れかけのパソコンばっか。
おまけに4月なのに部員勧誘もしてない。
林 梨乃
どうせ勧誘しても誰も来ないでしょ。
新井崎先生
まあそれはそうだが。
林 梨乃
そこは否定してくださいよ!?
新井崎先生
ところがだな、今年は入部希望者がいたんだよ!
林 梨乃
ふーん…ん?えーっ、何でですか?
新井崎先生
俺も信じられんが詳しくは本人に聞いてくれ。
と、いうわけで。
新井崎先生の後ろから1人の男子生徒が顔をだした。

男の子にしてはかわいらしい顔。

髪はサラサラしてて、やっぱり男の子にしては長い方。

制服はきっちりきてるから、割と素行はいいみたい。
小野田 在真
はじめまして、小野田あるまです。
林 梨乃
あるま、君?どういう字?
小野田 在真
存在の在に真実の真です。
林 梨乃
へー、珍しい名前。
小野田 在真
スペイン語で魂って意味なんです。
お父さんが珍しい名前にしたかったみたいで。
新井崎先生
よし、じゃあ俺は戻る。
顧問として応援してるからな。
林 梨乃
何もしないくせに…ま、いいや。
在真君はどうしてパソコン部に?
小野田 在真
僕、パソコン好きで、自分でサイトとかも作ってるんです。
サイトで知り合った人と会ったりもしてます。
林 梨乃
それって危なくない?
小野田 在真
大丈夫です、ちゃんと素行調査済みの人にしか会いませんから。
素行調査って…何者なんだこの子。
林 梨乃
どんなサイト作ってるの?
小野田 在真
実際に見てもらった方がはやいですね。
ちょっとパソコン貸してください。
林 梨乃
うん、どうぞどうぞ!
画面と向かい合っていた在真君はしばらくして顔を上げた。
小野田 在真
見てください、先輩。
林 梨乃
どれどれーって、え…?
画面に表示されていたのは、
『死の叫び』

あまりにも衝撃的な文字だった。

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