海玖は今バスケをしてる。運動音痴なくせにでしゃばってドジしてる笑 可愛いな。
チラチラこっちを見てるから多分俺にアピールしてるんだろう。残念ながら期待には応えられないけど。
俺は入学する前にバイクとぶつかって足を怪我してるということで通ってる。だから体育はほぼ見学。できるとこだけやる。皆はそう思ってる。いつまでもこの設定が通るとは思ってない。いつかは全部バレると思う。その時はその時だ。小中で一緒の子には口止めしてる。幸い律儀に守ってくれてるみたいだ。
でもボールが飛んでる方向、海玖がバスケやってる方向じゃね?と思っていたら凄い音が鳴った。ボコ!俺の予想どうり飛んでいったボールは海玖の頭に直撃した。海玖は頭を抱えてそのまま倒れ込んだ。気づいた時には俺は海玖に向かって走り出していた。
俺は声に気づいた海玖が俺の方を見た。
海玖が必死に叫んだがその時にはもう遅かった。心臓が痛い。俺は海玖のもとに到着することも出来ず倒れ込んだ。
ざわつく声が聞こえる。海玖が泣き叫んでいる。俺は好きな女1人守ることもできないんだな。そこで俺の意識は途切れた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。