第4話

海斗
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2020/05/02 15:00
海玖は今バスケをしてる。運動音痴なくせにでしゃばってドジしてる笑 可愛いな。
チラチラこっちを見てるから多分俺にアピールしてるんだろう。残念ながら期待には応えられないけど。
友達
海斗!お前足いつなおんだよ!サボりなんじゃないのか〜?
海斗
普段お前らと騒いでるせいで全然治らないんだよ!残念ながら今日は参加できませ〜ん
俺は入学する前にバイクとぶつかって足を怪我してるということで通ってる。だから体育はほぼ見学。できるとこだけやる。皆はそう思ってる。いつまでもこの設定が通るとは思ってない。いつかは全部バレると思う。その時はその時だ。小中で一緒の子には口止めしてる。幸い律儀に守ってくれてるみたいだ。
友達
なぁなぁ、今1組と3組が野球やってるじゃん。1組の方にさ、中学ときに野球で選抜行ったやついるらしいぜ。スカウトされてこの高校入ったらしいんだけど、もう球団に目つけられてて、プロ入り確実だって。
海斗
へぇ〜。どいつ?
友達
今ちょうどバット持ったやつ
海斗
おぉ〜。確かによく飛ぶな。場外ホームランじゃね?
でもボールが飛んでる方向、海玖がバスケやってる方向じゃね?と思っていたら凄い音が鳴った。ボコ!俺の予想どうり飛んでいったボールは海玖の頭に直撃した。海玖は頭を抱えてそのまま倒れ込んだ。気づいた時には俺は海玖に向かって走り出していた。
海斗
海玖!
俺は声に気づいた海玖が俺の方を見た。
海玖
来ないで!走らないで海斗!
海玖が必死に叫んだがその時にはもう遅かった。心臓が痛い。俺は海玖のもとに到着することも出来ず倒れ込んだ。
海玖
海斗!海斗!
先生!救急車呼んでください!
ざわつく声が聞こえる。海玖が泣き叫んでいる。俺は好きな女1人守ることもできないんだな。そこで俺の意識は途切れた。

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