もう何度目の入院だろう。入院すればするほど自分が弱くて自分の死が間近なのだと思い知らされる。本当は入院なんてしたくない。自分がしたいことを思い切りしたい。でもみんなが望むのは俺が入院すること。俺が少しでも長く生きること。正直おれは長く生きようがすぐ死のうがどうでもいい。いつ死ぬのか分からないと言われた時点でおれは死を覚悟して毎日を過ごしている。怖くないといえば嘘になるが受け入れてしまえばどうってことない。
いつもは一人部屋だけど部屋が空いてなくて今度は2人部屋になった。俺と同じぐらいの年の男の子がいる。
今日初めてあった相手なのに何故か愁にはなんでも話してしまう。愁といると何故か気が抜ける。でも愁といると楽しい。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。