どこを見ても真っ暗、なんにも見えない
あれは…父さん?母さん?姉さん?兄さん?焦凍?
______お前は失敗作だ
んな事自分が1番分かってる
______あんたなんか産まなきゃ良かった!
...ごめんなさい
______早く消えて?あんたと同じ空間に居たくない
ごめんなさい
______お前の所為でお母さんが病んだんだ!!
ごめんなさい...
______お前と双子だと思うと反吐が出る
ごめんなさい...ごめんなさい...!!
私は...産まれちゃいけなかった存在で
家族に不愉快な思いばかりさせる人間で...
一緒に産まれた事さえも否定されてしまう子
そう言って病室の外に出たホークス
やめて…まって、1人にしないで……置いていかないで
________ガラッ!!!
病室のベットに横たわりながら
必死にホークスが去ったドアに手を伸ばしていると
勢いよくドアが開かれた
個室だった事もあってか、無駄にひろい病室を走りベットのそばに来てくれた相澤先生
『息をする』
そんな当たり前な事さえ上手く出来なくてごめんなさい
嗚呼、駄目だ
息をする事さえも苦しい、声が出にくい
…ダメだ、引き止めちゃ
先生には先生の仕事がある
私のわがままで引き止めるわけには…
しっかり喋りたいのに
途切れ途切れでしか声が出てこない
やっぱり私は『失敗作』だ…
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。