結局私は家に帰して貰えず学校に泊まった
朝起きたら何時もと違う天井だからクッソビビりましたね、ウケる
布団取り合戦を行っていると
ガラッと乱暴に保健室のドアが開く
ただいまの状況
ベットに寝転がりながら布団にしがみついてる私と
その布団を取り上げようとしてるリカバリーガール
やめて私のお嫁ちゃん取らないで!!!
バシッと少しキツめに頭を殴られる
そう相澤先生は昨日のUSJ事件で怪我をして
包帯グルグル巻のミイラと化しているのだ
包帯越しでも分かるくらい顔を歪ませながら舌打ちされ、シュルルと拘束布で縛られる
そう言われた瞬間私は立ち止まった
相澤先生はこちらを見つめている
...話の脱線は無理そうだ
そう言った瞬間、相澤先生は目を見開いた
そんなに驚く事だろーか
私に仮面を被せた原因の...焦凍もそうだ
個性が出る前は中も良く喧嘩なんかした事無かった
でも個性が出てからは
あなたとは呼んでくれず失敗作になり
何時も気にかけてくれたのに邪魔者扱いになり
互いを高め合っていた姿はとっくに消えていた
ヴィランに居ても可笑しく無い位私は腐ってる
...でも...
きっと皆は「誰かを守りたい」とか「オールマイトのようになりたい」とかそんな理由で目指してる
だが私はどうだ?
何かを否定する為だけにヒーローを目指してる
相澤先生は私を見つめたままだ
外では楽しそうに幼稚園や小学校に行く子供の無邪気な声が聞こえる
私も...あんな風に笑いたかったな
そんな言葉を声に出る寸前で飲み込んだ
きっと...理解なんてされないから
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!