第13話

12
1,319
2021/08/11 10:55






あなた「ただいま。」




伏黒「あなたっ、お前……どこ行ってた。」




あなた「蘭と竜胆の家。」




伏黒「何もされなかったか!?」








出た。恵の過保護。








あなた「大丈夫っ。あ、蘭が次会ったとき殺すって言ってたよ。」




伏黒「………俺、何かしたか?」













竜胆の服を洗濯機に投げ込んでシャワーを浴びる。




またあの家に返しに行かないといけないのか。









ぶんぶんと頭を振る。




こんなことを考えている暇はない。




今しなければならないこと。




バジくんが死んで、心に傷を負った人。




少しでも力になりたい。





















ピンポーン








千冬「………………はい。」




あなた「あなた。入ってもいい?」




千冬「開いてるから上がってこい。」








心なしかいつもより声が細い。









あなた「お邪魔します……。」








部屋のドアを開けると、窓枠に片足をかけて座っている千冬がいた。







千冬「あなた…………………俺、」







千冬「俺、東卍辞めようと思ってるんだ。」







あなた「千冬………………、」










バジくんは、死んだ。




たくさんの仲間を残して、独りで死んだ。





大きな呪いをかけて、死んでいった。











ダメだ。




呪いを呪いのまま放っておいては、足枷になるだけだ。























仲間が死んで追い込まれていた時、私の信頼している人は私に何をしてくれた?





悠仁が死んだ時、五条先生は_____、



























私よりも一回り大きい千冬の背中に手をまわす。




ふわふわの頭を肩にうずめさせる。









千冬「……………汗くせぇっ」




あなた「失礼な。急いで来たんだから仕方ないでしょ。」















あなた「私も仲間が死んだとき、1人で抱えようとしてたんだ。でも、そんなときに隣で受け止めてくれる人がいた。」












結果的には生きてたんだけど。












あなた「1回、全部吐き出してしまえばいい。気負わなくていいよ。必ずどこかで見てくれてるから、自分のペースで頑張ればいいんだ。」
































『こんなことで僕が困るとでも思ってる?』




『あなたは弱いからさ、』




『僕がそばに居てやるよ。』





































あなた「私がそばに居るから。」




プリ小説オーディオドラマ