あなた「え、結局私は何をすればいいの?」
千冬が、東卍創設から今までの出来事、稀咲の企み、バジさんの素晴らしさについて懇切丁寧に教えてくれた。
私の脳ミソも千冬の脳ミソも石ころだ。
いつの間にかもうお昼になっていた。
クソダサ君は途中で小学生ぐらいの子に連れて行かれて、はぐれてしまった。
そりゃそうだよ、そんな髪型でへにゃへにゃしてんだから舐められるに決まってる。
千冬「もうこんな時間だし、マックで作戦会議しようぜ。」
あなた「いいね。奢ってくれるの?」
千冬「バカか。」
2人してビッグマックを注文して、席に座る。
いっぱい食べないと筋肉がつかないんだよ。
あなた「私達のバジさん応援作戦に成功を!!」
千冬「カンパーイ!!!」
紙コップのため音は鳴らないが、カツン、とコップを合わせる。
…………あれ、もしかしてめちゃくちゃダサい?
周りからの視線が痛い。
バンッと千冬がマックシェイクを置く。
千冬「まず言っておくが!!俺も場地さんのために何をすればいいか分からねぇ!」
あなた「……は?」
千冬「来週、10月31日、東卍と芭流覇羅がぶつかる。とりあえず、そこで勝たなきゃなんねぇ。」
あなた「ふむふむ。」
千冬「お前、戦えるよな?喧嘩してるとこ見たことねぇけど。」
あなた「まぁ、一応お兄ちゃんと不良やってるよ。」
やりたくてやってる訳じゃないからね!!
何回も言うけど!
千冬「じゃあ、もし稀咲が何か怪しいことしようとしてたら抑えてほしいんだ。」
あなた「え、あ…あの稀咲ね。」
話を聞く限りは相当ヤバい奴だ。
あなた「成功したらナゲット15ピース、よろしくね。」
千冬「場地さんのためだ。仕方ねぇ。」
あなた「よっしゃ千冬!私、やってやるよ!!」
立ち上がってハイタッチを交わす。
「あれ、千冬とあなたじゃん。」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。