あなたside
タケミっちが未来に帰って数日。
私が帰る日も近づいていた。
千冬「俺、この雨に濡れたコンクリートの匂い嫌い。」
あなた「そんな匂い分かるの?犬?」
千冬「逆に分かんねぇの?」
コンビニに夜ご飯を買いに行っている途中。
千冬「…………なあ、あのタイヤと喧嘩してる奴、タケミっちじゃね?」
あなた「なわけ…………あるわ。」
え………………きっしょ。
千冬「みんな死んでた!?しかもマイキーくんに殺された!!?」
あなた「おつかれ千冬。私しーらないっ」
武道「いや…あなたも殺されてんだよ。」
あなた「…………………ダウト!!」
武道「なんでここで嘘つくんだよ!」
あなた「ありえないって。まず大人の私が東卍に居る訳がないの。」
千冬「あー、呪術師やってるんだっけ。」
あなた「そうそう。それにマイキーくんの呪霊はもう祓った。私が呪いに殺されてるのは何もおかしくないけど、そこにマイキーくんが関わってる訳ない。」
千冬「………よくわかんね。」
武道「あなたももう未来に帰る予定だったかもしんねぇけど、もうちょっと残ってくれない?」
あなた「まあ残らない訳にはいかないよね。めちゃめちゃ難しい謎解きゲームみたい。」
後日、この謎の手掛かりを思いがけない人から掴むことができる。
万次郎「やっぱたい焼きうめぇ。」
あなた「この前奢ってから味しめてるでしょ。」
黒川「たい焼きくんてさ、最後どうなるんだっけ?」
あなた「誰それ。……………ってアンタが誰!?」
思わず目を見開く。
ソイツの肩に、以前祓ったはずのマイキーくんの呪霊がのっていた。
黒川「俺は、黒川イザナ。また会おう。」
あなた「ちょーっと待ってイザナくん。時間ある?」
万次郎「え、あなたコイツに惚れたの?」
あなた「違ぇよ!!」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。