第2話

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2021/08/02 11:03



タイムリープ?誰かの術式?





2年前だと私は中2。





津美紀はまだ元気だ。




この後、津美紀は呪われた。




現代で八十八橋の呪霊を祓ったが、その後も津美紀が呪いから解放される事はなく、今でも寝たきりだ。




どうして呪われたかなんて私には分からない。





でも、だからといって見過ごすなんてできる訳がない。






せっかく過去に来たんだ。救わなければならない。







伏黒「どこか悪いのか?」




あなた「な、なんでもないっ」






固まった私の顔を覗き込む恵。




人前では隠しているが恵はかなりのシスコンだ。



私が言えたことではないけど。








プルルルルルッ







画面を見てしかめっ面をした恵とは裏腹に、聞き慣れた能天気な声が響く。







五条『やっほー。元気してる?』



伏黒「いつも通りですよ。で、用件は?」



五条『任務だよ任務っ。3級呪霊一体。位置情報送っとくからよろしくね〜』







ブチッ






はあーっと盛大にハモる。







伏黒「行ってくる。」




あなた「私が行くよ。恵もうお風呂入ったじゃん。」







お互いに譲らないので、トランプで勝った私が行くことになった。






ダル着だったので、動きやすいジャージに着替えてスニーカーを履く。








津美紀「気をつけてね。」








心配そうな顔をするので、大丈夫だよと親指を立てる。







あなた「行ってきまーす。」







五条先生から送られてきた場所は、家から自転車で行ける距離にある神社だ。





もう外は暗い。





あのクソ目隠しめ。などと言いながら嫌いではない。




むしろ好きだ。




まあ絶対本人には言わないけど。








道路の端に自転車を停め、念のため帳を下ろす。








あなた「…………居た。」




呪霊「アソボ……」







こっちはいきなり夜に駆り出されて、機嫌悪いんだよ!





大蛇を召喚し、呪いを食べさせる。





あれ、思ったより弱い…?




違う、まだ呪いの気配がする。








呪霊「ウウウウウウ………」




あなた「玉犬っ!いけ!!」








玉犬だけではダメなことは呪いの大きさで分かる。




しかし、式神は同時に2体しか出せない。






あなた「うおおおおおっ!」






こうなったら私も体術で応戦するしかない。







バガッ






あなた「うっ………!」






頬に生温い液体が伝うのを感じる。





一撃が重い。





しかし、私を殴ってできた隙に玉犬が噛み付いて祓う事ができた。





帳を上げると、気が抜けたのか、体に力が入らなくなる。





頭を殴られたのでクラクラする。





私はそこで意識を手放した。





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