第35話

34
882
2021/09/02 14:59






万次郎「たい焼き2つ!」




「まいどありー!」










はい、そうです。




食べ物で釣りました。









あなた「クリスマスはマイキーくんとドラケンくん来てくれてなかったら、私達みんな死んでたよ〜」




万次郎「俺が着いたときにはもうお前死んでたぞ?」









たい焼きを食べながら海に向かって歩く。









あなた「まあかっこいいタケミっち見られなかったのは惜しいけどね。」




万次郎「かっこいいタケミっちなんて滅多に見れねぇもんな。」




あなた「でもマイキーくんはそんなタケミっちが大好きなんだよねっ」




万次郎「うるせっ」




あなた「ああっ、私のたい焼き!!」









あんこを口の端につけてVサインをするマイキーくんを睨む。









あなた「あ、だるまさんがころんだしようよ。」




万次郎「冬に海来てだるまさんがころんだやんの?」




あなた「ま、まあまあ。マイキーくん鬼ねー。」









グイグイと背中を押して後ろを向かせる。









あなた「負けないよ〜」










勝ち負けなんてあるのか知らないけど。

































万次郎「だーるまさんがー、」









マイキーくんの真後ろまで迫る。




拳に呪力を込めて、マイキーくんの頭の上の呪霊を見据える。









あなた「おりゃあっ









見ると、呪霊は目を瞬かせて少し悲しそうな顔をした後、フッと消えていった。





…………………祓えた、のか?




これで祓えたなら、今までの私は何をしてたんだ…。




少しの嬉しさと大きな寂しさが私の胸をいっぱいにする。









万次郎「おい、何普通に動いてんの。」




あなた「………………あ"。」




万次郎「はい、あなたの負けだからどら焼き〜っ」




あなた「え、さっきたい焼き食べたとこじゃん。」








勝ち負け、あったんだ。


















































あなた「いいじゃんいいじゃん。似合ってんじゃーん!」




伏黒「うるせぇ。お前も早く着替えろ。」









大晦日の夜。





恵と神社で年を越すのは毎年恒例だ。




そう。面倒くさがる恵を引きずって行くのも恒例。





マイキーくんの呪霊は祓えたので、もう私がこっち過去の世界にいる理由はない。




ただ、少し名残惜しいから、今度タケミっちと千冬に話してから現代に戻ろうと思う。









伏黒「着替えたか?」









やっべ、1人でしんみりしちゃってた。






………………………そういえば、どうやって着るんだっけ。









あなた「着方わからないんだけど!」









でっかいため息の後に、不機嫌な声で津美紀を呼ぶのが聞こえる。




恵が不機嫌なのはいつものことだけど。









津美紀「ちょっと今忙しいから、恵が手伝ってあげてー!」




あなた「……は?」









いやいやいやそれはないでしょ!




部屋のドアノブがガチャガチャ音を立てる。









伏黒「鍵開けろ。」









ねえなんで拒否らないの!?





プリ小説オーディオドラマ