あなた「暴走族にもそれぞれ色があるんだね。」
竜胆「……………何言ってんだお前。」
あなた「私は天竺には入らないよ。楽しくなさそう。」
殺されたくないなら俺らのチームに入れ、と言われたのだが、コイツらとタッグを組むなんてもってのほかだ。
死んだ方がまし。
いや、死んだら恵に殺されるからこんなところで死ねないけど。
あなた「もう夜だよ?帰っていい?」
蘭「なんで帰るって選択肢があると思った?」
あなた「じゃあどんな選択肢があるの。」
私怒ってますオーラを出しながら訊くと、竜胆がビッと指を2本立てる。
竜胆「いち、しばらくここに泊まる。に、今すぐ死ぬ。」
あなた「泊まります。」
そんなこんなでクソみたいな場所に泊まること数日。
1文で済ましてしまっているが、本当はこの数日の愚痴だけで1話書きたい。
それほどクソな環境。
自分が着ている竜胆の服の匂いにも腹が立つ。
隣の部屋から、聞き慣れた人を痛めつける音とうめき声が聞こえる。
なんだか嫌な予感がして、その部屋のドアを開ける。
あなた「…………殺される選択肢選んじゃった感じ?」
「「「………………………は?」」」
武藤「……三途、バカがいるとややこしくなるから向こうの部屋で説明してやれ。」
三途「はい。」
あなた「はい???」
あなた「えー、アンタら汚。」
三途「お前も汚ねぇよ。何日風呂入ってねぇんだ?」
あなた「入らせてくれないのはどこの誰かな!?」
部屋を追い出されて三途くんからココ、青宗、タケミっちが此処に連れてこられた理由を聞いた。
私を連れてきたのに深い理由はないくせに、意外と考えてやがる。
まあ、私は仲間がやられているのに指をくわえて見ていられるほど無慈悲な人間ではない。
その後、三途くんの手を振り払って部屋に入り、ムーチョくんを蹴り飛ばしてからの記憶はない。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!