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第1話

プロローグ
3,189
2021/08/12 11:08



ジリリリリリッ!






今日すでに5回ほど鳴っている目覚まし時計の頭をバンッと叩いて、重い体を起こす。







伏黒あなた。




呪術高専1年、2級術師。




術式は双子の兄と同じ、十種影法術。




二卵性双生児なので、2人とも術式を持っているのだ。




これまで、というか今も、恵にひっついて生きている。




自他共に認めるお兄ちゃんっ子だ。




ここ呪術高専に来る前、恵には家に居ろと言われたが、まさか私が1人で暮らしていけるとでも思ったのかな。




五条先生は快くOKしてくれたため、寮で過ごすことができている。







昨日の残りのご飯に卵を割り入れ、急いでかき込む。





ストレートの黒髪を束ねて、ツヤツヤの制服に袖を通す。





部屋を出てグラウンドに向かって走る。



途中で五条先生が何か言ってきた気がするが、気にしない。時間がないんだ。






あなた「おはよー!!」




虎杖「おーっす!」




真希「またお前が最後か。」






息を切らして膝に手をつくと、呆れた目で見られる。






パンダ「もう誰か起こしに行ってやれよ。」




狗巻「しゃけ。」






野薔薇が大きなあくびをする。




昨日は夜遅くまで2人で流行りのドラマを見ていた。






あなた「明日こそはちゃんと起きるから!!」




伏黒「それ言うの何回目だよ。」




パンダ「ほいほい。どうせまだ頭起きてねぇんだろ。一発投げてあげる。」








悠仁に助けてと目で訴えるが、ガッツポーズで返されてしまった。







ヒョイッ







あなた「…………え"。」




パンダ「いってこーい!」







ブンッ







あなた「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」






え、パンダ先輩また力加減ミスってない?




私が飛んでいく先にはよりによって非力な恵。




南無阿弥陀仏。私は悪くない。








ビリリッ







唇に何か感触があると同時に、全身に電気が流れるような感覚。






…………嘘、ホントに死ぬの?





















あなた。おい、起きろ。






しばらく見ていなかった大好きな景色。






…………家だ。






津美紀「あなたは相変わらずよく寝るねぇ。恵もだけど。」






……………津美紀?




おもむろにスマホを見て愕然とした。














2年前の今日??






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