第14話

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2021/08/12 10:05






   千冬side






あなたに頭を撫でられるうちに、少しずつ心が落ち着いていくのを感じた。





場地さんは俺らのために死んだ。




場地さんが残していったもの。




それを無駄にしてはいけない。






あなたから体を離す。








千冬「ごめん、肩、濡らした。」




あなた「いいよいいよ。ペヤング買いに行く?」






いつものように歯を出してニカッと笑うコイツと、場地さんの笑顔が重なる。








『私が、そばに居るから。』





『ありがとな、千冬。』








これから先、この言葉に何度も救われることを俺はまだ知らない。





















   あなたside





私は少しでも千冬の力になれたのか。




これで千冬は前を向いて歩いていけるのか。




私だってまだまだ未熟だ。





バジくんが死んでからマイキーくんとも話した。




マイキーくんは変わった。




それも悪い方向に。




表面上では前を向いている。




人に弱みを見せられないのだ。




マイキーくんの胸に濃く染み付いた呪いは、もう私1人でどうこうできる呪いではなかった。











____________五条先生、やっぱり私には無理みたい。





























数日後。






私は1人でカラオケに来ていた。




唯一呪いやタイムリープのことを相談できる五条先生は、生憎今日まで出張だ。




思いっきり声を出してストレスだけでも発散しようとしたのだ。





元からこれでスッキリするなどとは思っていなかったのだが、本当に、全くと言っていいほど気持ちが良くならなかった。













帰り道。仲良さそうに肩を並べて歩く男女2組が視界に入る。




このやろう。




クリスマスも近いのに非リアの私の前で。




私は今最高にイライラしてんだ。




一発ぶん殴ってやろうか。










…………………待て、あの金髪。








あなた「タケミっちー!」








くるっと同時に振り向く4人。




見せつけてんのかコノヤロウ。




つかつかと近づく。









武道「あなた!?」




あなた「お前彼女いたの?」




武道「あ、うん、一応、ね。」




ヒナ「ヒナですっ。よろしくね。」








照れんなコノヤロウ。




ヒナちゃんの可愛さに免じて許してやる。






もう1人のデカい男と目が合う。








あなた「三ツ谷くんにひっつきまわってる子だ!」




八戒「千冬と一緒にいる子じゃん!」








同時に言って、プッと吹き出す。




私達、相性いいんじゃね?








柚葉「コイツの姉、柚葉。よろしく。」







姉ちゃんか!許す。













ブーーーーーーン







白い特攻服に身を包んだ暴走族が近づいてくる。





背中には"BD"の文字と共にドラゴンを連想させる模様。










九井「これはこれは、"若"じゃねえかよ!」







__________ココ。





嫌な予感は的中する。





真ん中で丁寧に分けられた金髪。




気だるそうに開いている目。




大きく残っているやけどの傷。






せっかく忘れられたと思ったのに。








あなた「_________________青宗、」




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