僕とヌナはあわあわのバスタブで
ヌナが僕の足の間に入って僕にもたれるみたいな
格好になっていた
ちょっとでも泡を減らそうとしているのか、
泡をパフパフと叩いたり、水に溶かしたりするヌナを
見ると、どっちが年上か分かんなくなるㅎ
そう言って、僕の胸の中で
ちっちゃくなっちゃうヌナ
謝らないでよ、そんなところが好きでたまらないから
そう言って抱きしめれば
振り返って僕の頬に軽くキスをする
"グクだけ"
その言葉が欲しくて、僕はなんでもしてしまう
今、僕の腕の中に確かにいるのに。
ヌナを抱きしめるだけでこんなに幸せなのに。
なのにどうして、
この時間は僕だけのものにならないんだろう
するとヌナは振り向いて僕の頭に泡を乗っけて
にっこりと微笑んだ
今日もまた、"待ってて"とすら言ってくれないね
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。