第7話

7話
2,012
2023/02/26 05:21


お風呂から上がってルームウェアに着替えていると

玄関からヌナの元気な声が響く



あなた
じゃあ私そろそろ帰りまーす!
グク
グク
ちょっと待って!
あなた
んー?
グク
グク
はいこれ、プレゼント

そう言って僕が渡したのはネックレス

綺麗なヌナに絶対に似合うと思ったんだ

グク
グク
タイミング見逃しちゃってㅎ
あなた
いいのにー!また高そうなやつ…

そう言いながらも目をキラキラさせて

ネックレスを見つめているヌナ

可愛い、大好きだよ、って溢れそうになる

グク
グク
よく似合いそうだなって。
ほら、モデルだから提供もあるし
あなた
にしたっていつもプレゼントしてもらってばっかり…本当にありがとね
グク
グク
ううん。ほら、後ろ向いて?
つけてあげるからさ
あなた
うん!


ヌナは後ろを向くと首元にかかる髪を

サラリとかきあげる


こういうふとした瞬間の色っぽさにも

ドキドキさせられてしまう


グク
グク
はい、できた
あなた
ありがとう!今日これ職場に
してっちゃおーっと

そう言って嬉しそうにネックレスのチャームを

撫でるヌナをちょっとでも独占したい


その思いをちょっと、ちょっとだけ押し付けてみる


グク
グク
ねえ、今日だけでいいからさ…
グク
グク
それ一日中つけてて?
あなた
あー、今日はちょっと…


ヌナに申し訳なさそうに目をそらされてしまう

なんでそんなに素直なの?

適当に頷いても、バレることなんかない約束なのに



でもその上で、ヌナに約束して欲しい

ヌナの言葉が欲しいんだよ

グク
グク
お願い。今日だけ
するとヌナは悩むような顔をした後に言った

あなた
分かった!今日は絶対に外さないよ

分かってる。こんな約束ただの気休め

でも、そんな気休めだっていいから、

ヌナからの言葉が欲しい

あなた
じゃあ、行ってきます
グク
グク
行ってらっしゃい、ヌナ
あなた
うん!グク大好き♡



ヌナは僕の頬にキスを落として帰っていった




いつかこれが当たり前になるまで、


行ってらっしゃいおかえりなさい、


が毎日言えるようになるまで




僕はずっと、ヌナのこと待ってるよ

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