第5話

繋いだ手のヌクモリ
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2020/11/29 02:38
御坂美琴
御坂美琴
黒子大丈夫?
白井黒子
白井黒子
はい...
御坂美琴
御坂美琴
そんな緊張しなくても...
白井黒子
白井黒子
.......
昨日から薄々気づいていたが、記憶の無い黒子はやけに臆病だ。
前の中学生とは思えない程の度胸は感じられない。
中一ならこれくらいが罵倒だろうか
御坂美琴
御坂美琴
嫌なら無理して行かなくてもいいのよ?
御坂美琴
御坂美琴
今日は辞めとく?
白井黒子
白井黒子
!?
白井黒子
白井黒子
いえ、行きますの。気を使わせてしまい申し訳ありませんの
白井黒子
白井黒子
ご迷惑をおかけしましたの
御坂美琴
御坂美琴
良いんだけど。
御坂美琴
御坂美琴
本当に大丈夫?
白井黒子
白井黒子
はい...
御坂美琴
御坂美琴
黒子...
御坂美琴
御坂美琴
今日一応放課後病院に行ってみましょ
白井黒子
白井黒子
どうしてですの?
御坂美琴
御坂美琴
私が気になる事があるのよ
白井黒子
白井黒子
そうですの。
常盤台の生徒
常盤台の生徒
あら、御坂様。おはようございます
常盤台の生徒2
常盤台の生徒2
白井さんもおはようございます
御坂美琴
御坂美琴
あぁ。おはよう
白井黒子
白井黒子
.......
常盤台の生徒2
常盤台の生徒2
えーっと。白井さん?
白井黒子
白井黒子
!?
ダメだこりゃ
御坂美琴
御坂美琴
黒子...
白井黒子
白井黒子
え?
御坂美琴
御坂美琴
ごめんね2人とも。
御坂美琴
御坂美琴
後から先生の説明があると思うんだけど
御坂美琴
御坂美琴
黒子今なんかしらの能力によって記憶が無いの
御坂美琴
御坂美琴
だから...ごめんね
常盤台の生徒2
常盤台の生徒2
いえいえ。気にしないでください
常盤台の生徒
常盤台の生徒
こちらもすみませんでした
御坂美琴
御坂美琴
うん。
御坂美琴
御坂美琴
黒子...少し着いてきて
白井黒子
白井黒子
へっ?お姉様?



















本当は放課後に行く予定だったけど、今の黒子じゃあ学校は当分無理そうだ
白井黒子
白井黒子
お姉様
御坂美琴
御坂美琴
何?
白井黒子
白井黒子
ごめんなさいですの
御坂美琴
御坂美琴
別に良いわよ。気にしてないわ
御坂美琴
御坂美琴
黒子は悪くないもの
白井黒子
白井黒子
...先程の事もそうですが
白井黒子
白井黒子
昨日もお姉様に迷惑をかけましたの
御坂美琴
御坂美琴
別に迷惑だなんて思ってないわよ
白井黒子
白井黒子
.......
御坂美琴
御坂美琴
はぁ〜。
白井黒子
白井黒子
お姉様?
御坂美琴
御坂美琴
私にとって黒子は光だから
御坂美琴
御坂美琴
黒子は笑ってればいいのよ
白井黒子
白井黒子
ひかり?
御坂美琴
御坂美琴
そう。光よ
いつだって、まじめで
加害者ですら救おっとするし
困ってる人が居たらほっとけない。

この子はいつからか私の光
そうなっていたんだ
私に持っていないモノばかり持っているこの子が
御坂美琴
御坂美琴
でも、どうしてかしらね
白井黒子
白井黒子
へ?
御坂美琴
御坂美琴
私にはあんなに緊張してないじゃない
御坂美琴
御坂美琴
青髪の子は同い年でしょ?
御坂美琴
御坂美琴
なら、私よりも接しやすいんじゃない?
白井黒子
白井黒子
...........
白井黒子
白井黒子
お姉様が良いんですの
御坂美琴
御坂美琴
え?
白井黒子
白井黒子
お姉様と居ると安心しますから
御坂美琴
御坂美琴
そう.....
御坂美琴
御坂美琴
黒子
白井黒子
白井黒子
はい
御坂美琴
御坂美琴
朝から思ってんだけど
御坂美琴
御坂美琴
距離近すぎない?
白井黒子
白井黒子
ダメですの?
御坂美琴
御坂美琴
いや、いいんだけどね
昔もこの距離で歩いた事はあったが、その時は毎回黒子が腕を絡めてきたし
この距離で歩くとなると
御坂美琴
御坂美琴
気を使うし
白井黒子
白井黒子
お姉様が嫌なら...離れますの
何故こうも毎回私と離れると言うとこの子は泣きそうな顔をするのだろう。
歩く距離なんてそんなないと思うんだけど
御坂美琴
御坂美琴
あぁ。ほら、そんな顔しないの
白井黒子
白井黒子
.......
あぁ。これは墓穴を掘ったな
今にも泣きそうな顔でこちらを見てくるし
だから、仕方ないのよ
御坂美琴
御坂美琴
はい
白井黒子
白井黒子
へ?
御坂美琴
御坂美琴
手繋いだらそんな顔しないでしょ?
白井黒子
白井黒子
.....
御坂美琴
御坂美琴
な、なによ!こっちは恥ずかしいんだからね!手を差し伸べたのに握り返して貰えないの
白井黒子
白井黒子
あっ。申し訳ありませんの
白井黒子
白井黒子
繋ぎますの。お姉様と
御坂美琴
御坂美琴
そっ。
白井黒子
白井黒子
〜♪
御坂美琴
御坂美琴
単純ね
私よりも一回りくらい小さい手
昨日も思っていたけど、黒子って案外小さいのよね
こんなに小さい身体にどれだけの想いを込めてきたんだろう
そう考えると
今の黒子を甘やかすのはいいかもしれない
繋いだ手の温もりを逃がさぬよう私は握る手に少しだけ力を入れた
そうすれば黒子も自然と力を入れ返してくれる
そんな些細な事も嬉しいと感じながら
病院への道を歩く

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