初春さんと佐天さんの言葉に動揺した私は腕をぶんぶんと振って否定した
が
その反動で手が離れてしまった
まずいな。とも思うけど
距離は変わってないから平気かな。なんて思う自分も居る
だが。隣の黒子は前者の方の反応をしている
どうしよう...
1度初めに会ったことはあるが、やはり抵抗があるらしく黒子はオドオドとしてる
黒子には申し訳ないが先程話された事をこの2人にも話した方がいいと思った。
黒子は少し離れたところにあるベンチに座っていた。
下を向いていた顔がゆっくりとこちらに向く
ふわりと笑う目には少し涙が溜まっていた
やっぱり辛かったかな?
なんて考えてみたり
完全に拗ねてしまったようで黒子は返事をしなくなった
なんだかそんな黒子が可愛くて私は黒子の頭をそっと撫でた
頭を撫でた事で安堵したのか黒子は私のベストを掴んで肩に頭をのっけた
今度はしっかりと黒子から手を握ってきた。なんだか本当に必要とされていて私は少し嬉しくなった
少しづつ距離を縮められたらいいな
私は他人事のように、そう思った
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。