第15話
私たちはすれ違わない【Ys 廣岡大志】
私の彼氏はプロ野球選手。
出会いはインタビュー。
彼からの一目惚れだった。
アナウンサーの私と、プロ野球選手の彼。
生活時間は違くても、すれ違うことは無い。
私が仕事で遅く帰ってきたある夜のこと。
「手出して?」
私は咄嗟のことで右手を差し出す。
「違う左手
じゃぁ目瞑って」
こんな経験のない私は、何が起きているのか
全く理解していなかった。
『ちょなに!怪しい!ドッキリ?!
え薬指冷たい!』
そこまで情報量が多くないはずなのに、
頭が追いついていかない。
「ははっ笑
目開けて笑」
彼にああ言われるまでは。
『え???』
「髙橋あなたさん。俺と結婚して、
廣岡あなたになってくれますか?」
答えはYES。
言葉にできない嬉しさを、
私は彼に飛びついて表現した。
✂︎-----------------㋖㋷㋣㋷線-------------------✂︎
やられたら、やり返さなきゃ。
『そう言えばね、私からもサプラーイズ』
「えなに?」
『目瞑って、手のひら出して?』
大志と同じ方法で、驚かせる
「なにこれ紙?」
『ふふ
じゃあめ開けて、その紙ひっくり返して?』
「うん、え?
これって」
『パパ頑張れ』
「、、、、じゃぁあなたはママだ!」
さっき私が飛びついたように大志もとびついてきた。
そう大志の手のひらには、エコー写真。
そして私の中には新たな命無が宿りました。
これからは夫婦として、親として、
共に歩みましょう。