第45話

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2021/03/29 13:25

『落ち着いた?』


翔「ん、」



背中を撫でながら優しく聞くと
下を向いて返信をする翔太



『そか、良かった』


そっとお水を渡すと
一気に飲み干す



翔「ねぇ…あなた」


空になったコップを机に置くために
少しベットから離れると
小さな声で私を呼ぶ



『ん?どうしたの?』


ゆっくり振り返り翔太を見ると



翔「どこにも行くなよ、」



布団をギュッと掴んでそう言う翔太
そんな翔太が可愛くって翔太に近づき



『何処にも行かないよ!』


頭を撫でると
翔太も嬉しそうに笑う




叶わない恋かも知れない。
このまま翔太と付き合えないかもしれない、




それでも、翔太が私に
隣に居て欲しいって言うなら
私はそれに応えたい




コンコン



扉をノックする音が聞こえて



『ふっかさんかな?』



『はーい!』



扉を少し開けると



涼「ごめんね、翔太どう?大丈夫そ?」



少し気まづそうにそう聞く涼太の姿があった



『今起きたところ!どうぞ!』


扉を開けて部屋に入れてあげると


涼「…翔太、」


ゆっくり部屋に入り翔太を見る



『涼太…!』


目を大きく見開いて驚いた顔をする翔太



涼太はゆっくり翔太に近づき



涼「これなら食べれそう?」


そう言ってベットの隣にある
小さな机にご飯が入った容器を置く



翔「これ、」


涼「ふふっ、覚えてる?」


涼「昔 翔太が風邪ひいた時作った事あったよね」


なんて言って優しく微笑む


涼「これ食べて早く元気になるんだよ?」


翔「うん、ありがと、」


涼「じゃ、俺行くね?」


スタスタ歩き扉の方に行く涼太の後ろを
着いて行くと



ガチャ



涼「ご飯食べ終わったら食器持ってきてね」


私にしか聞こえない声でそう言った


『うん、涼太ありがとう』


涼「翔太のこと よろしく」


深々と頭を下げて涼太は部屋を後にした




涼太が居なくなったのを確認してから
翔太に近づきベットに腰かけると



翔太は涼太が作ったご飯を嬉しそうに
1口食べる



『美味しい?』


優しく髪の毛を指とくように
頭を撫でると気持ち良さそうに目を細め



翔「うん、うまい」



そう言ってパクパク食べて行く





食欲はあるみたいで良かった、



子供みたいに美味しそうにご飯をたいらげては
また眠たくなったのか目を擦る



『翔太?薬飲んで』


そう言って薬を2錠渡すと


翔「…いらない…」


頭までガバッと布団を被る


『飲まないと治らないよ?』


『ほら、早く飲んで!』


無理矢理 布団を剥ぎ取ってそう言うと


翔「もう治った!布団返して!」


何てすぐバレる嘘をつく


『翔太?この薬苦くないよ?』


翔太と目線が合うようにしゃがんで言うと


翔「ふっかもいつも そう言うんだ…」


小さい声でポツポツと話し出す


翔「でも、いつも不味い、」


翔「苦くない薬に出会ったこと無い!」


何て頬を膨らませる




薬苦手なんだな…、
私にはまだまだ知らない翔太が沢山ある




子供みたいに可愛い一面が
次から次へと出てくるから
私は翔太のこと嫌いになれない、





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