深「ここに座って」
私たちの部屋に行き椅子に座る
深「消毒するね…」
『ありがとうございます…』
ふっかさんは優しく
ガラスで切った手を消毒し包帯を巻いてくれる
深「…顔も冷やした方がいいね」
深「氷持ってくるから待ってて」
そう言って部屋から出て行った
写真に写っていた子と何かあったのかな…
私のせいで…
思い出したくない過去を思い出させて
しまったのかもしれない…
ガチャ
深「お待たせ!」
優しく笑って氷が入った袋を私に差し出す
『ありがとうございます』
それを受け取り顔に当てると
ふっかさんは私の前に座り
深「何があったの?」
心配そうに優しい声で顔を覗き込んでくる
ふっかさんの声…
安心するな…
『翔太と男の子が写っている写真を飾ったんです…』
『そしたら…』
深「そか…ごめんね…あなたちゃん」
『いえ!ふっかさんは悪くないので!』
深「小学生の時にね…翔太には親友の涼太って言う子が居たんだ。」
ふっかさんは少し懐かしそうに
でも、どこか悲しそうにゆっくり話し出した
.
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!