~あなた~
亜嵐くんについて行くこと10分。
いまだに行先を教えてくれなくて、電車の中で小声で聞いた。
周りに人はいなくて、いつの間にか声のボリュームが大きくなっている。
亜嵐くんによっかかりながら笑ったり、
ちょこっと間を詰めちゃったり。
そう言って亜嵐くんが指さした先には、
新しく出来た、話題のショッピングモール。
人気のお店がたくさん入ってて、私がずっと行きたいと思っていたところだった。
感動に浸っていた時、ふと思いだした。
・・・私、全然秘策が使えてない、、
頑張って考えたのに、、
どうにかあのワードを使えるよう、話題を誘導することに決めた。
目標は、「それな」。
同意、同感、という意味で使うらしい。
どうしよう、
とっさに出ちゃった変な質問。
でも、
んー、〇〇かなー。
↓
それな!
ってなるかもっ!
、
なんか、、
失敗、、?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。