それから私達は、１枚、また1枚と
記憶の花弁を見ていった
小さい頃から中学生、バラバラに

いい思い出も、悪い思い出も...

その記憶にいつも出てくる男の子がいる
でも、その子の顔はいつも見えない
どの記憶にも絶対出てくるのに
その子の事はどうしても思い出せない
 
ザ）あなた？大丈夫？
少し休む？

貴）うん、ごめん

ザ）大丈夫だよ？
休まないでずっと見続けたんだ
そりゃ疲れるよ

貴）ありがとう、

それから私達は階段に座った

貴）私ね、思い出したの！

ザ）なにを？

貴）私が好きな食べ物は
マカロンとオムライス！

ザ）子供みたいだね(笑)

貴）子供って！も〜！
マカロンは女の子の食べ物だよ！

ザ）でも、オムライスは
子供だろ？(笑)

貴）違うもん！

ん、？この会話、どこかでしたような...

ザ）あなた？

貴）へ、？あ、何でもない！

ザ）そう？

貴）なんで記憶喪失になったのかな
やっぱり事故かな？

ザ）ん〜、どうだろ
そこはあんまりいい記憶じゃないかもね、

貴）私はどうしたら
元の世界に戻れるの？

ザ）記憶を全て思い出したら、かもね

貴）そっか、じゃあ
これからある嫌な思い出も
見なきゃいけないね、

ザ）...そうだね、

貴）ザックは私の事知ってるの？

ザ）知ってるよ
あなたも俺を知ってる

貴）え？

ザ）さ！そろそろ行こうか

貴）そうだね、！

また、私達は記憶の花弁を見に行く事にした

ｶﾞﾁｬｯ

貴）ここ、あったかい

この部屋は今までの部屋のどこよりも
明るくて心が暖かくなった

ザ）いい思い出なのかもね

貴）見てみよ！

私はザックの手を引き薔薇の花に触れた
光に包まれ目を開けると
夜の教室だった

貴）文化祭？

ザ）まだたぶん前日かな？

貴）あ、ホントだ

ザ）ここにはいないみたいだし
探してみよっか

貴）うん、

ザ）ん？どうしたの？

貴）その、えと...

ザ）あ、暗い所ダメだったね(笑)

貴）うん、

ザ）俺がいるから大丈夫

そう言って私の手を握ってくれた

貴）ありがと、

ザ）ふふ、そんなくっついたら
歩きずらいでしょ？

貴）だ、だって...

ザ）大丈夫だよ？

貴）上かな、？

ザ）なんで？

貴）なんかそんな気がする、

ザ）あなたの記憶だから
あってるかもね

それから階段を登って屋上に来た

貴）あ、やっぱりいる

ザ）ホントだ

貴)) おぉ！星綺麗！

『だろ〜？』

貴)) ____くんはなんでも知ってるね！

『まぁな』

貴)) そうだ、話したい事ってなに？

『あ、その事なんだけど、』

貴)) なになに？

『俺、あなたが好き』

貴)) へ、

『物心ついた時からずっと
好きだった、だから俺と付き合って下さい』

貴)) わ、私も好き...です(照)

『まじで！？』

貴)) うん(照)
小さい頃からずっと好きだった

『ずっと両想いだったんだな(照)』

貴)) そうだね、(照)

『じゃあこれからは幼なじみじゃなくて
俺の彼女だからな！』

照れながら笑う

貴)) うん！(照)

そして、男の子が抱きしめ

『大切にするからな』

貴)) 大好き！(照)


そこで元の部屋に戻った

貴）私、彼氏いたの？

ザ）そうみたいだね

貴）じゃあ次行こっか

ザ）うん！

私達が部屋を出た後、

ﾎﾟﾄｯ

薔薇の花弁が静かに落ちた