貴）んん...ここは...？

目を覚ますと私は知らない部屋にいた
ベットから降りて
部屋を探索してみるけど
自分が見た事ない真っ白なワンピースを
着ていること以外わかる事は何一つもなかった

貴）月が、綺麗...

窓から見える青色の満月

貴）私はなんでここにいるんだろ、

『おはよう』

貴）へ、？

振り向くとドアの前に背は私より大きくて
上下真っ黒な服を着ている知らない男の人がいた

貴）貴方は、？

そう問いかけると男の人は
一瞬悲しそうな目をした後私に話しかけた

『俺は...ザックって呼んで』

貴）ザック、私は...えと、アレ、？

私は、誰？

ザ）あなた、君の名前はあなた

貴）そう、！私は茅野あなた
どうして忘れてたんだろ、

ザ）まだわかってないの？

貴）え？

ザ）あなたは今記憶喪失なんだよ？

貴）記憶喪失...

ザ）俺の事、覚えてる？

貴）私はザックの事知ってるの？

わからない、思い出してみても
何も思い出せないの
小さい頃の記憶はあるのに
でも、その記憶に出てくる男の子の顔が
霞んでて見えない...

ザ）やっぱり、

貴）私に何があったの？
どうして記憶喪失になったの？
私はもう思い出せないの？

ザ）落ち着いて？
ちゃんと教えるから

貴）ごめん、

ザ）この部屋を出ればあなたが
言っていた事の答えが見つかるよ

貴）答え、？

ザ）俺があなたを導いてあげるから
行こう？

そう、ザックは私に手を差し出し微笑んだ

ﾁﾘﾝｯ

どこかでベルが鳴った、
そして手を差し出すザックを見ると
胸がふわっと懐かしい気持ちになった

ザ）あなた？

貴）ﾊｯ､

ザ）行こう？

ザックは私の手を取り部屋のドアを開けた

ｶﾞﾁｬｯ

貴）え、

部屋の外は埃っぽく先が見えない
真っ暗な廊下が続いていた

貴）ザック、

私は不安になりザックの手を握る

ザ）大丈夫、俺がいる

貴）うん、

ﾁﾘﾝｯ

((大丈夫！お前には俺がいる！

貴）え、？

ザ）どうしたの？

貴）な、なんでもないよ

ザ）そう？

貴）うん、

さっきのは、私の記憶？
とても懐かしくて心が温かくなる

ザ）まずはこの部屋だね

貴）離れないでね、？

ザ）大丈夫だよ
じゃあ、あけるよ？

貴）うん、

ｶﾞﾁｬｯ

ドアを開けると部屋の真ん中に
ポツンと寂しく机が置いてある

貴）机の上に何かある？

近付いて見てみるとそれは
真っ赤な薔薇の花だった

貴）薔薇の花、？

それに指が触れた瞬間、
目の前が眩しく光その光が止むと
そこはさっきまでいた部屋じゃなく
いろんな色の花が咲いている
花畑の真ん中にいた

貴）ここは、？

ザ）何か思い出せる？

貴）なんか、懐かしい感じがする、

ザ）そっか

ザックは少し微笑んだ

しばらくすると遠くから
子供の声近付いてきた

貴）アレは、私？あと、もう1人は？

その2人は私達の横を通り過ぎていった

『私ね！大きくなったら____と
結婚すゆ！』

『ホントに？じゃあ大きくなったら
僕はあなたちゃんを守る
ヒーローになるね！』

『うん！約束！』

そう言って2人は指切りをした

貴）アレ、これなんか覚えてる

ザ）もう時間だよ

貴）え？

ザックの方を向くとまた眩しい光に包まれ
光が止むと元の部屋に戻っていた

貴）あ、花弁が１枚落ちてる、！

ザ）じゃあ次に行こう

貴）う、うん

そして、私達はその部屋を後にした