昼になると、妹が友達を引き連れて遊びに来る。
こう私を誘ってくるのも、
私が断るのも、
いつものこと。
こうやってクラスメイトがヒソヒソ言うのも、
いつものこと。
いくら脇役だと分かっていても。
そうやってヒソヒソ言われるのには未だに慣れない。
そうやって言うけどさ。
分かってるんだよ。
いっしょに食べたら食べたで色々言われるの。
教室から出ようとしたら、妹といっしょにいたお友達くんが声をかけてきた。
赤坂悠莉くん。
生徒会長の友達で、可愛いって有名な子。
確かに小柄だし可愛いけどね。
すぐにヤジを飛ばすクラスメイト達。
どいつもこいつも。
…………お姉ちゃんの癖に、かぁ。
うるさ。
別に私だって好きで姉貴やってるわけじゃないのに。
梨々花の背中をさする木村瑠衣くん。
彼も赤坂くん同様人気者だ。
背が高く、男らしい体型とは裏腹に可愛い声の持ち主で、歌も上手いらしい。
それに。
下手に仲良くしたら、またお母さん達に怒られる。
私なんかが気軽に接せるような子じゃないから。
まぁそもそも人と関わるの苦手だから逆に都合が良かったんだけどね。
梨々花たちは慣れっこだけど、人に囲まれるとか無理だし。
もうここに正しいことなんて何も無い。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました！