第2話

赤色の傘
15
2018/02/18 07:47
私が教室に入ると同時に鳴り響くチャイム音
なんとか遅刻は免れたらしい
まぁ私の遅刻の大半の理由は弟のマイペースさが原因なんだけど…

担任 : ホームルーム始めるぞー…の、前に。今日は転校生がいるからなー

この時期に転校生なんて珍しい
普通は4月の初めなのに
担任の「入ってこい」と言う声と同時にがらっ、と開く扉
瞬間、バニラのふわっとした香りが教室中に広まる

紫耀 : えー、名古屋から来ました!平野紫耀です!仲良くしてくださいー

訛りのある喋り方にハスキーボイス
一瞬で相手を虜にしそうな笑顔
これだけ顔が整ってるなら彼女もいそうだな…なんて思いながら窓の外に視線をそらす

担任 : じゃー席はー…永瀬の隣で!

紫耀 : ながせ?

一切に女子の視線がこちらに集まるのを感じた
女子の嫉妬ほどめんどくさいものはない、なんて思いながらしぶしぶ手をあげる

紫耀 : 君がながせ?ちゃんなんや!宜しくね!

あどけない笑顔がどことなく可愛くて不覚にもきゅんとしてしまった
こくり、と頷くと彼は隣の席に座る
そういえば名前…永瀬ちゃんって…

違和感あるなぁ…なんて思いながら1時限目の授業の準備を始めた








廉 : …嫌な予感する……

岸 : 大好きなお姉さんに彼氏が出来るとか?

廉 : はっ!?バカなこと言うなやっ、

1学年下ではこんな会話がされているなんて私は知らない

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