前の話
一覧へ
次の話

第1話

青色の傘
27
2018/02/16 14:55
あなた : 準備できた?

廉 : えー、まだ時間あるやん…

あなた : 早くしてや…いつもそうやってのんびりしてるから遅れるんやで?

廉 : お姉は急ぎすぎや、もうちょっとゆっくりしても…

ぶつぶつと文句を言いはじめる弟を無視して1階のリビングルームへ向かう
そこには朝、母が準備してくれたであろう朝ご飯と1枚のメモが置かれていた

メモには

"あなたへ
お母さん今日早出の日やから廉のこと宜しくね
帰り雨降るかもしれんから傘持っていくように"

と手短に用件だけが書かれていた
母らしい字にくすり、と笑みをこぼした後、時計を確認する

あなた : 廉! やばい! もう7時30分やで !

廉 : 嘘やろ!? やば、俺今日日直やった!

あなた : ちょ、廉! 傘忘れてる!

廉 : どうせ一緒に帰るんやからお姉が持ってたらいいやろ!俺先行くからな!

そう言って廉は玄関からばたばたとでて行ってしまった
いつまでたっても治らない廉のマイペースさにはため息が出る
廉と5歳差の弟はもうすでに学校についているというのに…

あなた : 私も学校行かな…

傘を持った後、廉が出て行って少し静かになった家から出る
かちゃり、と鍵をかけて学校に向かう途中、あることを思い出した

あなた : あ、そういえば廉、今日委員会やなかったっけ






少しだけ雲の色が暗くなった気がした
- 雨が降りはじめるまであと3時間 -

プリ小説オーディオドラマ