第5話

ピンク色の傘
14
2018/02/19 10:29

ぽつりぽつりと降る雨も帰る頃には本降りになっていた
流石に廉を置いて帰るわけにはいかないので教室で待ちぼうけ
確か廉が所属してる委員会の先生は話が長いので有名だからまた今日も6時くらいになるんだろうなぁ…なんて

紫耀 : あなたちゃん…?

がら、っと音がして扉が開く
少し遅れて聞こえてくる平野くんの声
そういえば菊池先生に呼び出されてたなぁ…

紫耀 : 誰か待ってるん?

あなた : 弟待ちなんよ。平野くんはふまたんに呼ばれてたん?

紫耀 : ふまたん?

あなた : 菊池風磨先生。

紫耀 : あ〜…!菊池せんせ〜ね!なんか学校でうまくやっていけそうかとかいろいろ聞かれただけやで?

あなた : そうなんや…そういえば平野く…

紫耀 : 紫耀。紫耀って呼んでや…

…心臓に悪い
まさかこんなイケメンにこんな可愛らしいことを言われる日が来るとは…
いや、廉もイケメンやけどさ…あいつ可愛くないんやもんなぁ…

紫耀 : あなたちゃん…?

ほらまた。
不安そうに私の名前を呼ぶ
…可愛い。不覚にもそう思ってしまう
私平野くんにあってから可愛いとしか言ってないよね?

あなた : 紫耀くん?

名前を呼ぶとキョトンとしたあと周りに花が咲きそうなくらいの笑顔で「はい!平野くん!」なんて言うもんだから笑っちゃう

廉 : お姉、なにしとん

いつもよりワントーン低い廉の声が教室に響く



雨粒の落ちる音がやけに静かに感じた

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