第3話

緑色の傘
84
2018/02/18 15:39

1時限目が終わり、2時限目の用意をしようとしたその時、とんとんと肩を叩かれる
くるりと後ろを向くと笑顔の平野くん

紫耀 : 俺まだ学校のこと全然わからんから案内してもらってもええ?あ、いま忙しかった…?

少し不安そうにうるうるした瞳でこちらを見るのはずるいと思う
可愛かったから2つ返事でokしてしまった

あなた : ここが図書室、トイレはあっちやで。男子トイレと女子トイレ間違えんといてな?

紫耀 : 頑張って覚える!…え、あっちが図書室やったっけ…

あなた : 平野くん、覚えてないやん
そこは家庭科室やで

平野くんの天然ぶりにふふ、と笑みをこぼしながら廉のクラスがある階から別の階に移動しようとした瞬間

廉 : お姉?

クラスから出てきた廉と目が合う
廉はクラスの男子を向こうに行くように言った後、こっちに駆け寄ってくる

紫耀 : ながせちゃん知り合いなん?

平野くんも廉に気づいたみたいで私に知り合いかと問いかけてくる
流石に応えないとあれだよね…でも顔あんまり似てないから…なんて思いながらも口を開いた

あなた : 私の弟、永瀬 廉。
廉、この人はうちのクラスに転校してきた平野紫耀くん。

紫耀 : へー…"あなたちゃん"の弟くんなんやー…

廉 : "あなた"と同じクラスなんっすね、宜しくお願いします

何故かギスギスしだす2人
平野くんさっきまでながせちゃん呼びやったやん…
廉なんか普段お姉って呼ぶくせにいきなり呼び捨て…
空気の悪さに耐えきれなくなって"廉に全てを押し付けよう"なんて考えが頭をよぎる

あなた : …あ、そうや。廉さ、平野くんのこと案内してあげてくれん?
あとは1階の職員室とトイレと校長室くらいやから…あ、体育館とプールも

廉 : えー…なんで俺が…

朝と同じようにぶつぶつ言いはじめる弟とぷぅ、っと頬を膨らませて拗ねている平野くんを放置して教室に戻る



途中、菊池先生に「永瀬ー、提出物出せよー?」なんて言われたけど普通に無理した

あとで呼び出しくらうかな?
なんて。




雲行きが怪しくなって来た2時限目

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