袖を掴んだ私の手を ,
ぎゅっと優しく握った .
私の目を見て にこりと笑う彼 .
… 意地悪な顔してる ,
よんじゅんの目を見てそう言うと ,
だんだん恥ずかしくなって 下を向く .
顔が熱い .
恐る恐る顔を上げると ,
また ぎゅうっと強く抱きしめられる .
ば , 馬鹿 … !?
突然の侮辱に 目を見開くと ,
よんじゅんは言った .
もう私の顔は , 真っ赤に熟したりんごみたいに
なってるかもしれない .
布団の中に入ると , 暖かかった .
暖かい布団で寝るのは 久しぶりすぎて ,
何だか緊張してしまう .
… 寝る時って ,
ぎゅーするのが 普通なのかな .
彼の腕の中で 私の心臓はうるさくなる .
でも 眠気には勝てなくて ,
私の瞼は 視界を覆った .
夢の中には よんじゅんがいた .
私をぎゅってして , 撫でてくれた .
… もう 私の頭の中には ,
よんじゅんしかないみたい .
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。