そう言って 絡めていた私の手を するりと離して ,
玄関のドアをがちゃりと開けた .
… ドアの鍵が閉まった音がした
思わず その場にしゃがみ込む私 .
自分の顔をそっと触ると
熱が出ているのではないか と思う程で ,
今までにないくらい 熱かった .
鼓動は早く , 顔は熱く ,
鏡を見たら おまけに耳まで真っ赤だった .
さっきの彼が 鮮明に頭の中に浮かぶ .
「 … いい子にしてろよ , 」
「 … ん , … 」
あの声 , あの仕草
… あの瞳 .
思い出す度 私の心臓は きゅんと疼く .
さっき彼は出て行ったばかりなのに ,
心も身体も 彼を求めていた .
… 私はもう ,
彼に心を奪われてしまったみたい .
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。